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AV事業統合で“オンキヨー&パイオニア株式会社”誕生。ブランドは継承

 オンキヨーとパイオニアは2日、ホームAV事業と電話事業、ヘッドフォン関連事業を統合。パイオニアのAV事業を手掛けるパイオニアホームエレクトロニクス(PHE)はこれに伴い、社名をオンキヨー&パイオニア株式会社に変更する。

 オンキヨーは2月に、PHEとの経営統合に向け、パイオニアを割当先とした新株式発行により資金を調達し、PHE全株式を取得すると発表。3月2日を払込期日とする新株発行により、16億7,956万4,500円を調達。この全株式をパイオニアに割り当てることで、パイオニアはGibsonに次ぐ第3位のオンキヨーの主要株主(持株比率14.95%)となった。

 オンキヨーはこの調達資金でパイオニアの100%子会社であったPHEの全株式を取得して傘下に収め、オンキヨーのAV事業と統合。オンキヨーとパイオニアのブランドは継続するが、「さらなるAV事業の強化を図るべく新体制で事業に取組む」とし、販売や設計に関する共通の機能をオンキヨー&パイオニアで一元管理。事業競争力、収益力の強化を目指す。

 そのために、国内販売に関する事業はオンキヨーマーケティングジャパンに譲渡。オンキヨーマーケティングジャパンは、オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンに社名を変更。設計に関する事業はデジタル・アコースティック(DAC)に譲渡する。DACは社名がオンキヨー&パイオニアテクノロジーとなる。

 また、ヘッドフォン事業と電話機事業はオンキヨーエンターテイメントテクノロジーに(OET)譲渡。今後市場拡大が見込まれるハイレゾ市場に向けて、「高品質な音源コンテンツ事業と、ヘッドフォンを中心とするライフスタイル企画製品事業を強化し、ソフトウエアとハードウエア両面から新しい音楽体験を提供する」とし、ハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」を運営するOETに譲渡する。なお、OETは社名がオンキヨー&パイオニアイノベーションズに変更となる。

 オンキヨー&パイオニアの新役員も選任。社長には、現オンキヨーの副社長COOの中野宏氏、現PHE社長の松本智氏が副社長に就任する。

 オンキヨーがパイオニアグループから取得した海外事業の中で、北米地域の販売に関してはPioneer & Onkyo U.S.A.に。欧州地域の販売はオンキヨーヨーロッパに、中国を中心としたアジア地域での販売はオンキヨーアジアに、その他の海外販売に関する事業はオンキヨーに3月2日付で譲渡される。

パイオニアのDJ機器事業

 パイオニアは、DJ機器事業を手がける、Pioneer DJの譲渡も完了。コールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニー・エルピー(KKR)が、Pioneer DJの株式取得の手続きを完了し、KKRはPioneer DJの持株会社であるPDJホールディングスの発行済株式の85.05%を保有。パイオニアが株式の14.95%を保有する形になる。

 パイオニアとKKRは、「それぞれの持つ経営資源、強固なブランド力や技術力、グローバルでのテクノロジー/メディア業界における投資経験やネットワークを活用し、Pioneer DJの更なる成長を目指す」としている。

(山崎健太郎)