人材育成とデジタル活用が重要

 高齢者向け産業は必ず大きくなる。その時のために人材育成は欠かせない。上海復華養老服務有限公司の総経理 華原誉氏によれば「ハードは何とかなるとしても、ソフトパワーが一番の問題である」という。そこで、同社では2年後くらいをメドに人材育成施設の開設も考えている。

 そして、デジタルヘルスケアの分野の応用にも期待を寄せる。上海では現在、介護ベッドにセンターを付け、高齢者の行動などを管理するシステムが導入されたという事例も出ている。人材不足を補う一つの解決策でもあるようだ。この点について、楊暁軍氏は日本とのコラボレーションを歓迎する。

高齢者介護の展示会が各地で開催
 盛り上がりを見せる中国の高齢者介護ビジネスを裏付けるように、各地で関連展示会が開催されている。2014年も、「第1回中国国際高齢者福祉サービス博覧会兼第7回中国(上海)国際福祉機器展」、「2014大連国際老齢産業博覧会(DISIE2014)」、「17th China International Healthcare & Rehabilitation and Gerontic Products Exhibition」、「中国国際シルバー産業博覧会(SIC 2014)」などが行われる。今後、さらに多くの事業者が参入してくるだろう。中国という広大な土地で安心安全に運営されるにはまだ多くの課題とビジネスチャンスがある。この分野で20年以上の経験を有する日本のノウハウは、中国にとって確実に必要なものである。
■変更履歴
記事初出時、「医療法人社団弘善会グループ」とあったのは「医療法人弘善会グループ」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。