▲日産が軽自動車を自社開発するという情報をキャッチした。いったいどのような車ができるのだろうか? ▲日産が軽自動車を自社開発するという情報をキャッチした。いったいどのような車ができるのだろうか?

日産から低全高型の新型軽自動車が登場する!?

日産の軽自動車生産が現実味を帯びてきたようだ。登録車メーカーの日産は2002年にスズキからOEM供給を受け、軽自動車市場に参入。当時は「新規ユーザーを獲得したり、軽自動車に流れるユーザーをつなぎとめて将来的には自車の登録車に戻したい」(幹部談)と、消極的なスタンスだった。

しかし、その後も軽自動車市場は拡大を続けたため、日産としても対応を迫られることになった。2005年には三菱とも包括提携し、軽自動車をOEM調達。2011年には、三菱と共同出資で「NMKV」を立ち上げ、軽自動車の企画・開発まで手がけるようになった。日産にとって軽自動車は登録車の顧客をつなぎとめる手段ではなく、国内事業に欠かせない存在になりつつあるわけだ。

こうなると自社生産はもはや時間の問題と言える。ゴーン社長は、2014年の株主総会で「今のところ未定だ」としつつも、軽自動車を自社生産する可能性に言及。日産は国内の開発や生産基盤を維持する前提として、年間100万台の生産を掲げている。だが、2014年の国内生産は91万台だった。

今年は円安で生産台数自体は増える見込みだが、輸出分は為替次第で変動する。国内生産100万台を安定的に達成するためにも、内需が中心の軽自動車はノドから手が出るほど欲しいところだ。

では、いつ、どの車種から自社生産がスタートするのか。

▲予想をするならば、ピノの後継車も兼ねる低全高型のセダンタイプとなるのではないか? ちなみに、ピノは2007年から2010年まで販売された6代目スズキ アルトのOEMモデルだ ▲予想をするならば、ピノの後継車も兼ねる低全高型のセダンタイプとなるのではないか? ちなみに、ピノは2007年から2010年まで販売された6代目スズキ アルトのOEMモデルだ

まず、デイズなど三菱で生産中の車種がそのまま移管される可能性は低い。モデルライフを通じた原価計算が狂ってしまうし、三菱との契約もあるからだ。自然なのは、今後投入される新型車になるだろう。

販売面から生産候補を探ってみると、日産は現在、背高系のデイズ、デイズルークス、モコ、商用車のNV100クリッパーをラインナップしている。スズキやダイハツにあって、日産にはないモデルを探るとアルトやミラe:Sのようなベーシック2BOXが挙げられる。

安くて燃費が良く、立体駐車場にも入れられる車だ。このジャンルは法人需要も多く、日産系ディーラーにとっても魅力的であろう。消去法で考えると、こうしたベーシックなモデルが自社生産の第1号車に選ばれる可能性が高い。

2015年2月10日に紹介したように、日産と三菱は軽自動車ベースの電気自動車(EV)も開発中。デイズ/eKワゴンがベースとなりそうだが、軽くて前面投影面積の小さい低全高モデルを使えば、さらに安くて効率の良いEVが生み出せるだろう。

※2015年3月31日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2016年以降
■全長×全幅×全高:3395×1475×1500(mm)
■搭載エンジン:660cc 直3

text&photo/マガジンX編集部