東芝、WDを提訴 「半導体事業売却を妨害」
東芝は28日、半導体メモリー事業の売却を妨害しているとして、協業する米ウエスタンデジタル(WD)を相手取り、東京地裁に不正競争行為の差し止めの仮処分を申し立てるとともに総額1200億円の損害賠償を求めて提訴したと発表した。WD側は米国で売却差し止めに向けた法的手段に出ており、両社の対立は一層深まった。
東芝は債務超過を解消するため、稼ぎ頭の同事業を2018年3月末までに売却する方針。産業革新機構を軸とする連合を優先交渉先に決め、売却契約を結ぶ作業を進めている。これに対しWDは「売却について拒否権を持つ」と反対する。
東芝はこれを「虚偽」として、WDが入札参加企業らに虚偽情報を送り信用が毀損したと主張。請求額は今後増える可能性もある。またWDへの対抗措置として、同社社員を対象に東芝が管理する情報システムへのアクセスを28日に遮断した。
東芝の成毛康雄副社長(半導体担当)は28日の定時株主総会で、WDとの問題について「歩み寄るところは歩み寄り早期の解決をめざす」と説明していた。