オンコリスバイオファーマ、腫瘍溶解ウイルス「テロメライシン」の企業治験を申請
【プレスリリース】発表日:2017年3月14日
日本国内初のテロメライシン(R) (OBP-301)
企業治験申請に関するお知らせ
当社は、本日、日本国内で初となる腫瘍溶解ウイルス テロメライシン(R)(OBP-301)の企業治験を実施するため、食道がん患者を対象とした PhaseI臨床試験の治験実施申請を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ提出しましたので、お知らせいたします。
本試験では、外科手術による切除や根治的化学放射線療法が困難な食道がん患者を対象として、放射線治療併用によるテロメライシンの安全性・有効性・腫瘍免疫応答の評価を実施する予定です。国内では、既に、岡山大学藤原俊義教授による同疾患を対象としたテロメライシンと放射線の併用に関する医師主導臨床研究が進行しておりますが、今回のPhaseI臨床試験は、当社が実施する企業治験です。
テロメライシンは米国で各種固形がんを対象とするPhaseI臨床試験が完了しており、その安全性が確認されました。また、一部の症例ではテロメライシン投与部位で腫瘍の縮小効果と腫瘍免疫反応が認められ、更に、遠隔効果(*)を示唆する非投与部位での腫瘍縮小が観察されました。
現在、海外では台湾・韓国で肝細胞がんを対象としたPhaseI/II臨床試験が進行中のほか、平成28年8月には米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)に対し、悪性黒色腫(メラノーマ)を適応症とするPhaseII臨床試験開始のためのプロトコル申請を実施しております。
また、国内では前述の岡山大学での食道がんを対象とした医師主導臨床研究が進行すると共に、国立がん研究センター東病院と、進行性又は転移性固形がん患者を対象とした他の治療法との併用による効果検討に関する医師主導治験契約の締結を決定しています。
本臨床試験は、テロメライシンに関し日本国内で実施される初めての企業治験となります。当社は、「がんを切らずに治す」というコンセプトに基づき開発を進めているテロメライシンと他の治療法との併用に関する研究開発を進めていくことで、医療現場の一助となるがん治療法の発展に貢献していくことを、今後も目指してまいります。
なお、本件による平成29年12月期業績への影響はありません。また、平成29年12月期中に、本企業治験のPhaseI臨床試験推進を目的とした、希薄化を伴う新たな資金調達の予定はございません。
(*) 遠隔効果:がんの局所治療において、治療を実施した以外の腫瘍に縮小が認められる現象
以上
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