血液検体、ドローンで輸送 広島大とNTTドコモが瀬戸内で実験
広島大学とNTTドコモは25日、無人航空機(ドローン)を使い血液検体を輸送する実証試験を広島県大崎上島町で3年間実施すると発表した。総務省の事業に採択された。輸送する時間の短縮を図り、検査結果に応じた治療などの処置がしやすくなる。車で輸送する人手もかからずに済む。医療過疎が深刻な地域での実用化を目指す。
同日記者会見した広島大学の貞森拓磨客員准教授は「医療過疎の地域はぎりぎりで医療体制を維持している。代替方法で解決できないかと考えた」と事業を始める経緯や理由を述べた。
大崎上島町内の高齢者施設で患者から採血した検体を、ドローンで検査体制の整っている田村医院まで運ぶ計画だ。今年度は目視内での範囲でドローンを飛ばし、機体から携帯電話網を通じて映像が届くかを検証する。
最終年度の2019年度には、直線距離で約7キロメートルを約15分で自立飛行することを目標に掲げる。携帯電話網も活用する。検体を保護する容器が頑丈で破損しにくいことや軽量でドローンの機体のバッテリーを長持ちさせることを目指す。
目視外での飛行になるため、NTTドコモが総務省に実用化のための試験局としての利用を申請する。広島大学が同事業を統括し、モバイルクリエイトや、インフォコム(東京・渋谷)なども事業に関わる。