中露、サイバー攻撃にAI活用 北も能力獲得か 手口を学習、標的選定も 元在日米軍司令部サイバーセキュリティー長が証言

 ジャーコフ氏は、中露がAIの使用で攻撃を強化できる点について「睡眠を取る必要がないので攻撃の効率が大幅に上がる」と分析した。AIが大量のデータを基に自ら学習する「ディープラーニング(深層学習)」を行うことで「攻撃の技術や手口が自動的に上がり、育成しなくても優秀なハッカーが誕生する」という。人間のハッカーであれば手法や攻撃を仕掛ける時間帯で犯行を特定されやすかったが「AIでは調査が難しく、攻撃側は追跡から逃れやすい」とした。

 中国には、日本の官公庁の情報を盗むサイバー攻撃を仕掛けるハッカー集団が存在。ロシアでも、米大統領選で民主党全国委員会(DNC)に攻撃した集団が確認されている。「中露のハッカー集団がAIを使うことで、さらに重大な被害が起きる」と強調した。また、防衛省がネットワークを守るシステムにAIを導入する方針にも触れ「今後のサイバー戦争はAI同士の戦いになる」とした。

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