ミツフジ、朝日ラバー、埼玉大学で呼吸波形を計測できるウェアラブルシャツを共同開発
配信日時: 2017-06-19 17:07:28
~簡易睡眠ポリグラフ検査システムへの応用および慢性閉そく肺疾患の常時モニタリングを目指す~
ミツフジ株式会社(本社:京都府精華町、代表取締役社長:三寺 歩)は、株式会社朝日ラバー(本社:埼玉県さいたま市大宮区、代表取締役社長:渡邉陽一郎、証券コード:5162)と国立大学法人埼玉大学(埼玉県さいたま市桜区、先端産業国際ラボラトリー所長:綿貫啓一)と共同で、呼吸波形を計測できる着衣型ウェアラブルデバイスの開発を始めましたのでお知らせいたします。
この開発およびミツフジが持つ心拍波形を計測できるシャツとの組み合わせで、簡易的に睡眠ポリグラフ検査が可能な着衣型のウェアラブルシステムへの応用を目指します。これにより、睡眠時無呼吸症候群患者のスクリーニング検査の普及や早期発見・早期治療の促進に貢献いたします。
この共同開発は、平成29年度埼玉県新技術・製品化開発費補助金事業に採択されました。
【開発の背景】
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気で、医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸とされています。しかし、寝ている間の無呼吸になかなか気付くことができないために、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計されていることから、睡眠ポリグラフ(PSG)検査の早期受診が奨励されていますが、医療機関での検査は泊りがけであることや高額な検査費用がかかるなどの課題があります。この解決方法として現在の技術においては、簡易的に検査できるパルスオキシメトリ法(※1)やフローセンサ法(※2)によるスクリーニング検査がありますが、データ収集の精度などに課題があります。
[画像: https://prtimes.jp/i/20122/6/resize/d20122-6-867397-0.jpg ]
【開発製品について】
着るだけで呼吸波形を計測できる着衣型ウェアラブルデバイスを共同開発いたします。正確に、そして簡易に呼吸波形を計測するため、導電繊維を用いた着心地の良いウェアに、胸やお腹のふくらみに密着させて身体の動きによる伸縮などの変位に対応できるゆがみセンサーを取り付けます。簡易的にPSG検査が可能なウェアを目指し、SASをスクリーニングできる製品への応用を目指します。
【共同開発の各役割】
1. ミツフジ株式会社
素材からクラウドシステムまで、IoTウェアラブルデバイスのトータルソリューション「hamon(R)」を提供するメーカー。導電性を保ちながらも繊維としてやわらかい質感と柔軟性を持つ、独自開発の銀メッキ導電性繊維「AGposs(R)」により、さまざまな部分に衣類と同化させて生体情報を取得するための電極や配線を配置することができます。この技術は、これまでにも心電計測の電極や配線目的として着衣型ウェアラブルで用いられています。こうした技術を用いて、呼吸運動を計測するためのゆがみセンサーを組み込んだウェアの開発を担当します。
2. 株式会社朝日ラバー
独自の分子接着・接合技術を活かして、銀メッキ導電性繊維に弾性素材を強固に被覆することができます。その弾性素材に導電性ゴムを採用することで、抵抗値変化を一定に保つ軟質素材で被覆した伸縮性銀メッキ導電性繊維電極との複合構造体の開発を担当します。
3. 国立大学法人埼玉大学
ミツフジおよび朝日ラバーで開発した呼吸波形を計測できるシャツの性能評価および最適設計を行います。医療用装置などをリファレンスとした、取得データの精度検証を行います。
【開発・販売スケジュール】
2017年6月下旬~2018年2月 試作作製、データ取得、基礎技術確定、サンプル作製
2018年3月~2019年3月 現場などでの実証データ取得・手直し調整
2019年4月~ 販売開始
なお、この共同開発は、平成29年度埼玉県新技術・製品化開発費補助金事業に採択されており、補助額は1,994万3,900円です。
※1パルスオキシメトリ法
指先にパルスオキシメータを装着して、睡眠中の血中酸素濃度の低下の頻度や程度から睡眠時無呼吸症候群を検査する方法。
※2フローセンサ法
鼻・口の気流を検知するセンサーにより、気流変化の程度および頻度から無呼吸および低呼吸状態を調べる方法。
【会社概要】
社名:ミツフジ株式会社(京都府精華町)
業務内容:ウェアラブルIoT製品向け導電性繊維「AGposs(R)」、及びウェアラブルIoT製品「hamon(R)」の開発、製造、販売
特徴:国内外大手企業の多くが採用するウェアラブル電極センサーを自社開発
沿革:
昭和31年 三寺冨士二が西陣帯工場として創業
昭和55年 導電性繊維の用途開発を始め、導電性ネット、テープなどを開発・販売
平成14年 銀メッキ繊維のブランド”AGposs(R)"を立ち上げ、商標登録。
平成20年 国際宇宙ステーションにおける宇宙飛行士の下着素材にAGposs(R)が採用。
平成27年 第1回ウェアラブルEXPOに出展。
平成28年 着衣型センサーを使ったIoTウェアラブルデバイスの自社ブランド「hamon@」を発表
平成29年 世界最大の家電見本市「CES2017」にhamon(R)を出展
【コーポレートサイト】:http://www.mitsufuji.co.jp
【hamon(R)公式サイト】 http://www.hamon.tech
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