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「わっ、母ちゃん!勝手に部屋に入るな!!」を回避する個人用センサーを試してみた

SACのパーソナルセキュリティシステム「SSS-01」 text by 石川ひさよし

 ある日、編集部にこのようなモノが届いた。SACの「SSS-01」。白いボックス型の人感センサーと、黒い腕時計型レシーバーの2つから構成される「パーソナルセキュリティシステム」だそうだ。

 セキュリティと言えば、今時はIoTが流行だ。どこに居ても自宅の様子が分かるといった、インターネット中心に発展中の世の中だが、この製品はもっと単純なもの。センサー側に無線を搭載しているが、それはレシーバーと接続するためだけのもので、電波到達範囲でしか使えない。だから完全に「パーソナル」をターゲットにしているのだ。

 このようなセキュリティ機器がなぜAKIBA PC Hotline!編集部に届いたのか、PCとも関連は薄そうで疑問に思う部分もあるが……。秋葉原という濃い商業エリアで販売されているので、アキバつながりなのかもしれない。

 せっかくの話なので、編集スタッフといろいろと活用方法をひねり出してみたが……。やはり、一番使えそうなシチュエーションは、個室でゴニョゴニョしている際に、母親(もしくはヨメ)がノックもせず入ってくるアレへの対策じゃないだろうということで落ち着いた。

 イヤホンをしていて他人の接近に気付けなかったというケースは多々あると思うが、最近流行のVRなどは目と耳をヘッドマウントディスプレイやヘッドフォンで覆ってしまうので、こちらも危険度は高いといえる。

VRの世界も今年に入り一気に進化した! が、楽しんでいるところは他人に見られたくない……。どれだけ尖った方向に進歩してしまったのか興味のある読者はリンク先の記事を参照のこと。

 それでは、編集部スタッフ参加の三文芝居で「SSS-01」活用のシチュエーションお届けするので、まずはどれだけ活躍するアイテムなのかイメージをつかんでもらいたい。

AKIBA PC Hotline!に届いたあまりPCには関係なさそうな「SSS-01」。ディスカッションしてみたものの、やはり有効な使い道はVRヘッドセット装着時の家族バレ防止用途ということで……

「わっ!母ちゃん、勝手に部屋に入るな!」を未然に回避「SSS-01」は男子救済アイテムだ!

 男子が他人に見られたくないゴニョゴニョをいたしている状況は、家族には絶対に見られたくない場面だろう。身内バレはその後長きに渡って口がきけなくなるほどダメージがデカい。

 特にVRヘッドセットのように視界を塞がれた状態でだまって入り込まれたら一部始終がすべてバレる。その行為は後々まで語り継がれる伝説となりかねない。

デデンデンデデン♪
デデンデンデデン♪
パララーパーパーパー♪
遊んでるのバレた!!!

 そのほかの危機的シチュエーションについては自重するが、思春期を通り越した男性諸君なら(あるいは女性諸君も?)「勝手に入らないで!!」といった経験をお持ちだろう。

 そんな時、こいつ「SSS-01」があれば接近するお母ちゃん(あるいはヨメ)に反応してくれるのである。

 マニュアルを見るとセンサー部の感知範囲は水平90度、垂直70度、そして距離は2m程度。また、レシーバーの受信距離は見通しで20mくらいとのこと。このくらいあれば木造家屋では大丈夫だろう。コンクリート壁となると20mからもう少し短い距離になりそうだが……。

見通しなら20m離せるということで、実際けっこうな距離でも反応した
明らかに腕時計ではないレシーバーだが……放っておけば動き出すほどけっこうなバイブレーションだ
ドアのすぐ手前に置いてはいけない。なぜならセンサーが反応したところでお母ちゃんが入ってくるまでに画面を切り替えられないからだ
部屋が2階なら階段の途中という手も

感知してから反応するまでのラグはほぼ無し、危機を察してから十分なマージンを稼げる

 あれこれ使用してみて、だいたい製品の特徴が掴めたところで模擬テストを行ってみた。

 センサーが反応してリストバンドが反応するまでの時間はほぼラグが無いので、自分の部屋から少し離れたところにセンサーを置けば、ディスプレイを消したり、周りをちょっと整えるくらいの時間は稼げそうだ。

まずは廊下に設置してセンサー部がお母ちゃんを検知!
レシーバーがブルブルっと震えるので……
部屋に入ってくる数秒の間にVRヘッドセットを無事片付けられればごまかせる「SSS-01」

 こんな具合で実験には成功したわけだが、廊下にポツンとセンサー部を置いたらお母ちゃんだって異変に気づいてしまう。だからこのセンサー部をうまいこと隠さなければならない。

 センサー部のサイズは40×47×77mm。単3電池4本駆動のためそこそこ大きい。しかし、別途電源を必要としないので、屋内ならいろんな場所に置ける。また、使用時意外は固定して置いておく必要が無いので、アイデア次第ではうまいことさり気なく設置することもできそうだ。

使う時だけ設置すればよいので、観葉植物に隠す手も
本棚や電話台にさり気なく置くのはバレにくくてGOODだ

リストバンドはフル充電で10時間使用可能、センサーは単3電池×4本で45日使用可能

 どう使える物なのかは理解してもらえたとおもうが、ここであらためて製品を説明しよう。

 センサー部のサイズは先ほども紹介したが、40×47×77mm。スライド式にカバーが開くので、単3電池×4本(別売り)を入れてカバーを戻せば動作する。どうやら電源ボタンというものはなく、レシーバーにつながった時点で起動する。

 アルカリ電池を使えば最大45日ということで、激しく反応しまくってもだいたい1ヶ月は使えそうだ。カバーが裏側で、センサーの窓があるのが正面。これは間違いなくセンサーだなという意匠なので、ここはちょっとバレやすい。先のとおり、目立たない場所に隠して使うのがよさげな印象だ。

同梱品中にはセンサー部とレシーバー部、そしてマニュアルやステッカーも付属する
センサー部は40×47×77mmの直方体
電池は単3電池4本。単3充電池でも大丈夫だが、たぶん駆動時間は多少短くなる。電池切れは致命的な結果を生む種の使い方では要注意だ
あからさまにセンサーしているセンサー。バレてよいところなら威圧になるが、バレると困るところでは一発で見抜かれそうだ

 レシーバーはリストバンド型だ。まあ、時計針も液晶窓もないからあきらかに腕時計ではないし、ゴム質感からはチープ感がただよう。海外製の活動量計とでも言ってごまかすしかないだろう。

 電源は内側にあるmicroUSB端子から充電する。充電時間は150分ということなので、案外長時間。駆動時間は10時間なので、一度充電すれば数日分はカバーできそうな感じだ。

 正面にはボタン兼LEDの意匠があり、このボタンを6秒長押しすれば起動、3秒長押しで終了となる。接続時にも振動がある。先の通り振動はかなり激しく、机の上に置いておくだけでもかなりの音がするので気づけそうだ。合わせてLEDもチラッと光るので、ここでも判断すればよい。

リストバンド型のレシーバーはちょっと怪しさを放っている
レシーバー裏/レシーバー裏にmicroUSBの充電ポートがある
リストバンド自体は穴に対してツメで留めるタイプ。腕が細い女性でも大丈夫だし、ある程度太い男性の腕でもカバーできそう。ただ、片手でやろうとすると意外に留めづらい
ボタン/LEDを兼ねた電源ボタン。これの長押しで動作を切り替えるが、小さいのでツメを使ってなんとかといったところ
ボタンLED点灯/振動、ビープ音、LEDと3つの反応があればどれかで気づけるだろう

真面目な使い道も考えてみた、ペットや個人商店向けのセンサーにも活用できそう

 製品についてはこのような具合だ。レスポンスが思いのほか良いので、お母ちゃん対策のほかにも本来の活用方法でも活躍してくれるだろう。

 例えばタバコ屋の店先に置いておけば、おばちゃんが奥で何かをしていてもお客さんが来たのが分かるといった使い方もできろうだろう。

 読者の年齢層的に離れてしまうが、お母ちゃんが来たときだけ真面目に勉強をしているフリをするといった用途にも使える。

 また、猫のように自宅と外、別宅と本宅を行き来するようなペットの「玄関開けてー!!」センサーとしてもアリだ。ただ、野良猫がセンサー本体にちょっかいを出すのは止められないので注意して欲しい。

お客さんがきたことを知らせたりするのにも使えそうな「SSS-01」
ちょくちょく遊びに来る野良猫の顔を拝みたい時は「SSS-01」、小鳥の来訪を知るのにも使えるかもしれない
「SSS-01」を室内猫に見せてみると、センサーの反応でブルブル震えるリストバンドがおもしろいらしくそこそこ遊んでくれた。室内のペットの居場所を知るのにも活用できるかもしれない

家庭内の地位を守ろう、不意に見られてしまう危機を未然に防げる「SSS-01」

 今回紹介した通り、「SSS-01」の用途としては、不意にお母ちゃんに部屋に入られて……といったシチュエーションを回避する用途が最も有用なはずだ。

 家族内でもプライバシーはあって欲しいし、見られたり知られたくないこともある。誰にでもうしろめたいことはあるだろう。そういったプライバシーを守るのに「SSS-01」は有効だ。

 もしかすると、個人の部屋が無い家庭などでは、使い方次第では大活躍する可能性もある。また、真面目な用途でも活用例はいろいろあるはずだ。、お母ちゃん(あるいはヨメ)に弱みを握らせないためのアイテムとしてはもちろん、手軽に導入できる人感センサーとして「SSS-01」を活用してみてはいかがだろうか。

[制作協力:SAC]

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