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2年に1度の“もう1つのル・マン24時間”「ル・マンクラシック 2018」レポート

2018年7月6日~8日(現地時間)開催

 7月6日~8日、フランスのサルテサーキットで2年に1度開催される“もう1つのル・マン24時間”「ル・マンクラシック 2018」が開催された。ル・マン24時間レースを主催するACO(西部自動車クラブ)と、クラシックカーレースなどを主催するピーターオートによって2002年にスタートして今回で9回目を迎え、2018年はル・マンでアルピーヌ優勝40周年、ポルシェ70周年、ジャガーのセレブレーションイヤーを祝う走行なども行なわれた。

 年代ごとに6グリッドに分かれ、現在のル・マン24時間レースのコース(13.629km)で各グリッド43分のスプリントを3レース行ない、そのトータルでグリッドごとの優勝を決める。

年代別のグリッド

グリッド1:1923年~1939年
グリッド2:1949年~1956年
グリッド3:1957年~1961年
グリッド4:1962年~1965年
グリッド5:1966年~1971年
グリッド6:1972年~1981年

 今回で参戦5度目になる加藤仁氏は、「日本からマシンを搬送していた船のIT管理システムの問題が発生して、クルマはイギリスの港まで着いているのにル・マンに到着しなかったんです」と、当初グリッド4からアルピーヌ ルノー M63(1963年)で参戦予定だったが、グリッド6から友人らとアルピーヌ ルノー A210(1966年、52号車)で参戦。先発を務めた加藤氏は「あとは友に託します」と、参加して走り切った達成感のような喜びの表情と、友人の走行をクルーと見守るが姿が印象的だった(加藤組の3レースの総合結果は78台中の30位)。

 また、ル・マン24時間レースや日本でもおなじみのロイック・デュバル選手はグリッド5でアルピーヌ ルノー A443(1978年、45号車)で参戦し、23位だった。

ピエール・フィロン ACO会長(中央)とピーターオートのパトリック・ピーター社長(右)
パドックなどの風景
アルピーヌブース
ル・マンでアルピーヌ優勝40周年の展示車
ルイ・ヴィトンの売店
お店の1つ、革ジャン
1941年製のプジョーのEV(電気自動車)。最高速は30km/h
パドックを忙しく警備するクラシックポリスとミリタリーポリス
BMWのマーシャルカー
セレモニー
アメ車が駐車するアメリカ村?
オークション会場前。オークションに出品されたパリ・ダカールラリーの三菱自動車工業「パジェロ」とランボルギーニのトラクター
グリッド1のル・マン式スタート
重いハンドリングのグリッド1
異様(?)なグリッド2のキャデラック Series 61 Le Monstere
白煙をあげる2号車 フィアット 8V Zagato(1953年)
「輪島塗」のヘルメットが特徴の小嶋禎一氏。マシンは1957年のアルファ ロメオ ジュリエッタ SVZ(43号車)
グリッド3のレース1 ル・マン式スタートシーン
レース2でスピンしてサンドトラップに入る23号車 ジャガー タイプE 3.8L(1964年)
グリッド5 レース1の夕方~夜間走行
グリッド5の朝方の走行時に出た赤旗
グリッド5 レース3のスタート
加藤仁氏のルノー アルピーヌ A210(1966年、52号車)
グリッド5にルノーアルピーヌ A443(1978年、45号車)で参戦したロイック・デュバル選手
朝日に向かって走行するグリッド6のマシンら

グループCレーシング

 同時開催されたグループCレーシングには44台のエントリー中39台が出場し、43分間(8周)でレースが行なわれた。5月にモナコで行なわれたヒストリックフォーミュラで日本人として初優勝を飾った久保田克昭氏は、日産自動車「R90CK」(1990年)で参戦。予選2番グリッドからスタートし、1周目でトップに浮上。その後も赤旗中断などあったが、トップをキープしながら走行。しかし、あと1周というところで優勝を目前に左リアタイヤがバーストしてスローダウン。ピットまで戻ったが、7周リタイアに終わってしまった。

 もう1台の日本車であるトヨタ自動車「85C」(1985年)で出場の国江仙嗣/伊藤俊哉組は、公道に出るテルトルルージュでオーバーランし、縁石にヒットして左前を損傷。右リアタイヤがバーストしてしまい、3周でリタイアした。

レースでは走らなかったメルセデス・ベンツ C11(1989年)
カラーリングとネーミングが強烈に残ってるレイトンハウス
日産 R90CK(1990年)で参戦する久保田克昭氏。予選2番手グリッドをゲット
トヨタ 85C(1985年)で出場する国江仙嗣氏(右)と伊藤俊哉氏(左)ペア
ビッグネームが刻まれたままのトヨタ 85C(1985年)
グループCのスタートシーン
ゼッケン25は優勝したGEBHARDT C91(1991年)
スピンしたプジョー 905 EV1 Bis(1993年)
赤旗中断でピットロードに並ぶ日産 R90 CK(1990年)の久保田克昭氏
赤旗解除でコースインする久保田克昭氏の日産 R90 CK(1990年)
トップを走行も、左リアタイヤのバーストでピットに戻る久保田克昭氏の日産 R90 CK(1990年)
突然のバーストでぶつかったように破損したカウル
突然のバーストで破損したホイール
ラスト1周で……。落胆する久保田克昭氏
久保田克昭氏の表情
「どこにもぶつかってはいないんです。暑さのせいでパンクしたんだと思います」とメカニックも落胆
複雑な表情で記念撮影する日産 R90 CK(1990年)と久保田克昭氏、クルー
テルトルルージュで縁石にヒットして左前を損傷した国江仙嗣/伊藤俊哉組のトヨタ 85C(1985年)
伊藤俊哉氏
右リアのバーストでリタイアした国江仙嗣/伊藤俊哉組のトヨタ 85C(1985年)
ポジション争いしたドライバーに駆け寄り握手を交わす久保田克昭氏

【お詫びと訂正】記事初出時、加藤仁氏の参戦マシンの表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。