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【特集】メドレックス Research Memo(5):早ければ2017年に米国での販売権許諾契約が締結


■メドレックス<4586>の開発パイプラインの動向

(2) MRX-1OXT(オキシコドンテープ剤)

「MRX-1OXT」(中枢性鎮静薬)はオキシコドンのテープ型貼付剤となる。ILTSRによって、経皮難吸収性のオキシコドンの経皮浸透力を飛躍的に高めることに成功し、製剤開発に至った。2015年11月より前臨床試験を米国で開始しており、早ければ2016年末頃より第1相臨床試験に入る予定となっている。同試験において人体への安全性や副作用の有無、POC(Proof of Cocept)※を確認してから、販売ライセンス活動を行っていく予定となっている。このため、順調に進めば2017年にも米国での販売権許諾権契約が締結される可能性がある。

※POC・・・基礎的な研究で予想された薬の効果が、実際に動物またはヒトへの投与試験により証明されること。

「MRX-1OXT」の臨床試験は、「ETOREATR」と比較してスムーズに進むと見られている。「ETOREATR」の薬効確認が被験者の主観的な判断(痛みがなくなったかどうか)であったのに対して、「MRX-1OXT」はオキシコドンの血中濃度によって薬効が客観的に判別できるためだ。また、今回は新たに米国で契約した疼痛領域における臨床開発の専門家の助言を得られることもプラスとなろう。

疼痛緩和剤の米国での市場規模は年間1兆円強となっており、このうち手術中・後の痛みやがんによる痛みなど中~重度の疼痛に用いられるオピオイド鎮痛薬は約39%を占める4,470億円、このうちオキシコドンを薬剤とする「OxyContinR」は2,400億円を占めている。オキシコドン以外ではモルヒネやフェンタニルがあり、フェンタニルのみ貼付薬が上市されている(約1,000億円規模)。患者によって各薬剤の効果が変わるため、棲み分けがなされている。

オキシコドンの経口薬は1日2回投与が必要であるのに対して、テープ製剤は1?3日に1回の投与で済むこと、また、2013年1月にFDAより発表されたオピオイド乱用防止ガイダンス案に沿った製剤(製剤から麻薬成分を抽出し、他の目的に流用できない製剤)であること、貼付剤としての利便性の高さなどから、「MRX-1OXT」が上市されれば需要は大きいと見られ、今後の開発状況が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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