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【特集】enish Research Memo(3):2017年秋配信予定の「欅のキセキ」効果で業績急回復を見込む

enish <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の事業戦略

enish<3667>は今後の成長戦略として、主力のゲーム事業については大型IPとなる「欅のキセキ」へ注力し、収益ドライバーとしながらその他のゲームについては集中と選択を図ることで収益力を強化していく方針を打ち出している。また、同時にゲーム事業だけでは業績の浮き沈みが激しいため、収益の安定性を図るために非ゲーム事業の育成も進めていく方針となっている。それぞれの取り組み状況については以下のとおり。

1. ゲーム事業
(1) 「欅のキセキ」を2017年秋に配信開始
同社は2017年6月に人気アイドルグループである欅坂46を題材とした公式初のゲームアプリ「欅のキセキ」を制作し、2017年秋の配信を予定していることを発表した。「欅のキセキ」は欅坂46が歩んだキセキ(軌跡/奇跡)とメンバーの成長をたどるドキュメンタリーライブパズルゲームで、プレイヤーは欅坂46の新任マネージャーとして、メンバーとともに成長しグループを支えていくといった内容となっている。グループメンバーの撮り下ろし写真やムービー等の豊富なコンテンツを用意しているほか、VR機能だけでなくAR機能も実装するようだ。なお、サウンドプロデューサーとして秋元康(あきもとやすし)氏が就任したことも決定している。

9月19日に事前登録が開始され、開始からわずか2日間で事前登録者数15万人を突破し、現在も好調に事前登録者数が推移していることから「欅のキセキ」への期待の高さがうかがえる。収益への影響額について会社側ではコメントしていないが、月間で数億円程度の売上げが期待できると弊社では見ている。同じアイドルグループの乃木坂46のゲームアプリ「乃木恋」の売上高が、同程度で推移しているためだ。仮に、月間売上高が4億円程度だったとしても年間の売上規模は50億円に達し、同社の2016年12月期売上高(4,970百万円)を同タイトルのみで稼ぎ出すことになる。ゲーム配信後の反響にもよるが、収益面では2017年12月期の第4四半期以降、急速に回復し、2018年12月期には黒字化することが予想される。

(2) 「12オーディンズ」の大規模アップデートを2017年内に予定
ネイティブアプリの主力タイトルである「12オーディンズ」について、2017年内に大規模アップデートを予定している。通常、12月がもっとも課金収入が伸びる時期であるため、それを目指してアップデートをするものと見られる。アップデートの主な内容は、画像をより多彩にしてUI(ユーザーインターフェース)を親しみやすいものに変えるほか、新機能の実装も予定している。新機能についてはまだ非開示だが、同社では今回のアップデートによる課金収入の増加と海外配信開始によるレベニューシェアにより、2018年には同タイトルで黒字化を目指している。

(3) ブラウザゲームは2本に集中、新規開発はネイティブアプリで進める
その他、ブラウザゲームに関しては「ぼくのレストラン2」と「ガルショ☆」の主力2本の運営に注力し、各種イベントやコラボ等きめ細かな運用により安定した収益を獲得していく方針。また、新規タイトルについてはネイティブアプリに絞り、年間1~2本のペースで開発を進めていく。経営リソースの有効活用によりゲーム事業の収益力を強化していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MW》

 提供:フィスコ

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