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PwC監査法人が東芝決算を認めなかった三つの理由

編集部
記者会見に臨む東芝の綱川智社長=2017年4月11日、小出洋平撮影
記者会見に臨む東芝の綱川智社長=2017年4月11日、小出洋平撮影

監査法人が認めなかった決算(1)

 東芝は4月11日、会計監査を担当しているPwCあらた監査法人から承認を得られないまま、2016年4~12月期決算発表を強行した。決算発表が約2カ月延期されている間、東芝と協議を続けてきた監査法人は、なぜ決算を承認しなかったのか、詳しく報告する。

 この日、東芝は4~12月期決算に関して、いくつかの資料を公表した。このうち、監査法人の考え方や意見が掲載されているのは、「四半期報告書」という題名の91ページにわたる資料だ。

 この四半期報告書は東芝が関東財務局に提出したものだ。4~12月期決算の売上高、利益、自己資本といった財務状況が詳しく記載されている。12月末時点の債務超過額がこれまで公表していた1912億円から2256億円に増えたことも明らかになった。この資料の最後の3ページに、「独立監査人の四半期レビュー報告書」という題名で、監査法人の意見表明が掲載されている。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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