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銀行が東芝を「法的整理」に持ち込まない三つの理由

編集部
東芝が発表した2017年3月期決算に関する数字。手前は平田政善専務=2017年5月15日、丸山博撮影
東芝が発表した2017年3月期決算に関する数字。手前は平田政善専務=2017年5月15日、丸山博撮影

今後のシナリオ(1)

 米ウエスタン・デジタルから半導体事業の売却に待ったがかかった東芝。債務超過解消の行方に暗雲がたれこめ、混迷の度合いを深めている。5月15日の東芝の記者会見では、記者から「非上場」や「法的整理」の選択肢はないのか、という質問が出た。綱川智社長は「検討していない」と即座に否定したが、「可能性ゼロ」ではなくなっている。非上場や法的整理の道を選ぶと、東芝にはどういう将来が待っているのだろうか。

 現状を整理してみよう。東芝は3月末時点で5400億円の債務超過に陥った。すべての資産を売り払っても5400億円の借金が残ってしまう状況だ。「債務超過イコール倒産」ではないが、債務超過額がかなり巨額であるため、通常なら民事再生法や会社更生法といった法的整理に進んでもおかしくない。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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