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~調剤薬局のネットワーク事業で業界No.1、独自の地域ケアシステムを展開~
【ポイント】
・ネットワーク事業に弾みがついている。加盟店数の増加が前々期+200件、前期+370件、今期+430件ペースとピッチが上がっている。2017年9月末には2012件と、累計2000件を突破した。最初の1000件まで14年、次の1000件が5年弱、今後は2年ペースとなり、5年以内に5000件に拡大しよう。利益率が50%を超えるビジネスなので効果は大きい。
・当社は医薬品の卸と調剤薬局を結ぶネットワークで業界No.1、医薬品の取扱高でも業界トップクラスである。発注システム、在庫管理システム、レセプトデータ管理システムなど、自社開発によるネットワークシステムの提供で、自社店舗の売上高では業界7位にとどまるが、ネットワーク加盟店舗数と医薬品の仕入高で独自の強みを発揮する。
・加盟件数の拡大ピッチを高める戦略に力を入れている。2017年1月に薬剤師、医師などの人材求人サイトを運営するキャリアブレインと、5月には医薬品在庫管理に優れたオークラ情報システム(全国2000ユーザー)と業務提携した。加盟店からの口コミに加え、こうした提携先からの紹介が顕著に増えている。
・2018年3月期は経常利益で30億円(前期比+42%)と急回復をみせるが、2019年3月期は診療報酬の改定で減益を余儀なくされよう。しかし、どのように対応すればよいかは分かっている。地域包括ケアの中での「かかりつけ薬局」への対応が勝負となろう。中期3カ年計画では、「未病・予防-医療-介護」を支える地域薬局機能の充実を目指している。
・2017年10月にグループの組織再編を実施した。組織機能の効率化と共に事業も見直している。サービス付き高齢者向け住宅、医療介護施設向け給食、治験施設支援(SMO)など、周辺事業の収益性改善では、治験のエスエムオーメディシスは6月に株式譲渡で撤退、給食は黒字化した。サ高住のオフバランス化は引き続き課題である。
・子会社の統合で、一定のコスト削減と税効果のメリットが得られよう。2018年4月の診療報酬改定の影響で業績は上下するものの、ネットワーク事業を軸に、中期的には経常利益50億円が十分想定でき、ROEも向上してこよう。収益性の向上につれて、株式市場における評価も大きく好転してこよう。
目 次
1.特色 調剤薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み 自社開発のシステムでサービス向上と効率化を推進
3.中期経営方針 調剤薬局のネットワークで圧倒的トップを目指す
4.当面の業績 薬価改定の影響をいかに乗り越えるか
5.企業評価 ネットワーク事業を柱とした新たな連携効果に注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価(17年11月17日) | 609円 |
時価総額 | 182億円(29.9百万株) |
PBR | 1.84倍 |
ROE | 10.2% |
PER | 18.0倍 |
配当利回り | 1.6% |
総資産 | 57408百万円 |
純資産 | 9761百万円 |
自己資本比率 | 17.0% |
BPS | 330.3円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2010.9 | 41131 | 1528 | 1329 | 473 | 20.4 | 4.50 |
2011.9 | 46508 | 2262 | 2139 | 1001 | 38.6 | 6.25 |
2012.3 | 25410 | 1357 | 1314 | 518 | 20.0 | 3.75 |
2013.3 | 54827 | 2046 | 1912 | 756 | 29.1 | 8.0 |
2014.3 | 66181 | 2091 | 2019 | 668 | 27.7 | 8.0 |
2015.3 | 75548 | 2641 | 2540 | 885 | 37.1 | 8.0 |
2016.3 | 87715 | 3783 | 3860 | 1720 | 60.1 | 9.5 |
2017.3 | 88865 | 2113 | 2109 | 571 | 19.3 | 10.0 |
2018.3(予) | 95000 | 3100 | 3000 | 1000 | 33.8 | 10.0 |
2019.3(予) | 98000 | 2700 | 2600 | 1050 | 35.5 | 10.0 |
(17.9ベース)
(注)2012.3期は決算期変更で6ヵ月決算。ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。09.9期で1:200、12年4月、12年6月に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、①経営者の経営力、②事業の成長力・持続力、③業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa-ku201711.pdf