【4671】ファルコホールディングス(東証1部) ---
現在値 1,679円/100株 PER12.5 PBR 0.98 3月配当優待 9月配当優待
臨床検査受託大手、調剤薬局も展開。薬局譲渡しドラッグストア撤退。
配当金は3月9月で合計44円のため、配当利回りは2.62%となります。
ファルコホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末に
100株以上を保有する株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しており
ますので、配当優待利回りは約3.81%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 584億円、経常利益 11.8億円 EPS 189円
■2015年3月期 売上高 470億円、経常利益 18.2億円 EPS 98.9円
■2016年3月期 売上高 487億円、経常利益 22.2億円 EPS 120円
■2017年3月期 売上高 459億円、経常利益 22.6億円 EPS 133円
■2018年3月期 売上高 460億円、経常利益 23.0億円 EPS 133円 ce
□2017年9月中 売上高 229億円、経常利益 12.4億円 EPS 72.7円
□2017年12月3Q 売上高 345億円、経常利益 17.7億円 EPS 111円(2/9)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比1.3%減の229億円、経常利益は同
15.3%増の12.4億円となり、期初予想との比較はないものの、減収増益で着地
しました。主力の臨床検査事業に関しては、新規顧客の増加があったものの、
不採算取引の見直しにより減収となり、この減収が響いてセグメントも減益で
着地しています。一方の調剤薬局事業については、店舗の増減はなく、110店
のままだったものの、一昨年4月の薬価及調剤報酬の改定の影響が一巡した
ほか、店舗運営効率化施策が寄与、処方箋単価が上昇に転じたこともあり、
セグメント利益は前年同期比で25%上伸し、全社業績を押し上げました。
なお2018年3月期の予算については期初の予想を据え置いており、売上高は
前期比微増の460億円、経常利益は同1.3%増の23億円を其々見込んでいます。
臨床検査事業においては、電子カルテ(後述)の売上が下期から寄与することや
調剤薬局事業についても堅調な上期業績水準の維持が見込まれることから、
会社予算は達成可能圏と思われます。ちなみに去る2月9日に3Q決算が開示
されており、売上は若干未達ペースで推移しているものの、利益は逆に多少
上振れペースで推移していますが、誤差レベルの範囲で特に問題ありません。
2016年に学研系のODKホールディングス(3839)から3.6%の出資を受け、当社の
電子カルテクラウドサービス「HAYATE/NEO」の開発・改良協力で協業してきま
したが、上述のとおり下期より本格販売開始となりました。電子カルテは厚労省
が推進している“国策”とされているものの、高額な導入コストがネックで浸透が
進んでおりませんでしたが、当社本製品はクラウドを活用した低コスト型の商品
となっており、メインターゲットとなる中小病院への拡販が期待されます。
当社は良好な財務状況(ネット現金約60億円超)を原資に、株主還元に注力して
おり、純資産還元率(DOE)3%を目標に増配を続けています。今期も記念配(2円)
込みの4円増配【22→25→30→36→38→40→44円(予】、を早々に発表しており、
ターゲットのDOE3%近傍水準まで寄せてきています。実はこれ以外にも当社は
自社株買いを適当にするのですが、折角買った自社株の5.7億円をESOP信託
に一括で売り払ってしまったので、これにより3%超の希薄化が発生しています。
当社に資金需要があるわけではないので、従業員持株会にはそのまま市場で
買わせればいいと思うのですが、EPSを犠牲にして6億円弱もの現金を手元に
戻してしまったのは、かなり残念であります。
*参考記事① 2017-08-17 1,541円 ---
業績頭打ちも、株主還元で評価余地・ファルコホールディングス(4671)。
*参考記事② 2015-08-07 1,359円 ---
学研系のODKと資本・業務提携、ファルコホールディングス(4671)。
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