営業利益5000億円、「狙える力ついた」=ソニー社長

営業利益5000億円、「狙える力ついた」=ソニー社長
 5月23日、ソニーの平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO、写真)は経営方針説明会で、2018年3月期の営業利益予想5000億円について「この5年間の取り組みにより、それを十分に狙えるだけの力はついてきた」と述べ、達成に自信を示した。写真は都内にあるソニー本社で撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)
[東京 23日 ロイター] - ソニー<6758.T>の平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)は23日の経営方針説明会で、2018年3月期の営業利益予想5000億円について「この5年間の取り組みにより、それを十分に狙えるだけの力はついてきた」と述べ、達成に自信を示した。
その上で「5000億円は20年ぶりの水準だが、この利益レベルを複数年にわたって継続できたことはソニーの71年の歴史の中で1度もない」と指摘。「高収益を創出し続けるためには、現状維持ではなく新しい事業への取り組みを強化していくことが不可欠だ」と強調した。
<復活の陰にエレ再生>
平井社長は現状について「未来に向けて新しいことに挑戦する自信と元気に満ちたソニーが戻ってきた実感がある」と述べ、その背景として「長年苦戦が続いたコンスーマーエレクトロニクスが再生し、安定的な収益貢献が期待できる事業になった」ことを挙げた。
2017年1─3月期はエレクトロニクス6部門の営業利益(合計)が1997年度以来19年ぶりの黒字となった。
一方、前期に1121億円の減損を計上した映画事業については「ソニーにとって重要な事業だ」と述べ、収益改善に向けて取り組んでいく姿勢を示した。
ソニーは消費者との接点を「ラストワンインチ」と表現し、強化する戦略を掲げている。平井社長は「ラストワンインチで勝負するソニーが新たな市場を創造すべくグループ一丸で取り組んでいる実例のひとつがVR(仮想現実)だ」と述べ、VRに注力する姿勢をあらためて示した。
再参入を計画しているロボット分野については「複数のプロジェクトが着実に進捗している」と述べるにとどめた。
<ネット事業で振れ縮小>
平井社長は次世代ゲーム機について「次のプラットフォームの話をするのはまだ時期が早い」と言及を避けた。その上で、機種投入サイクルによる収益の変動をネットワークサービスの収入でカバーすることが重要だと指摘。「ゲームも大事だが、コンソール(ゲーム機)のサイクルとはあまり関係のないノンゲームのコンテンツをいかにプレイステーションネットワーク上で楽しんでいただくかということもアップアンドダウンの幅を小さくする非常に大きなポイントになる」と語った。
今期末のプレイステーション4の累計販売台数は7800万台を計画。プレイステーションネットワークの月間アクティブユーザー数は現在7000万人にのぼるという。
*内容を追加します。

志田義寧 編集:内田慎一

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