地鎮祭の様子
地鎮祭の様子
(出所:日経BP)
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 再生可能エネルギー開発事業者のレノバ(東京都千代田区)は4月20日、岩手県軽米町において、出力約80.8MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「軽米東ソーラー」の地鎮祭を開催した。

軽米町山内地区に伝わる「山内神楽」が披露された
軽米町山内地区に伝わる「山内神楽」が披露された
(出所:日経BP)
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 3月に着工しており、約2年半後となる2019年12月に運転を開始する予定。年間発電量は、一般家庭約2万5000世帯分の消費電力に相当する、約8700万kWhを見込んでいる。

 太陽光パネル出力の80.8MWに対して、連系出力は54MWとなっている。

 レノバは、今回の「軽米東ソーラー」と、八戸自動車道を挟んだ隣接地に、出力約48.0MWの「軽米西ソーラー」を着工済みである(2019年7月に運転開始予定)。この2カ所の合計出力は約128.8MWとなる。

レノバの木南陽介社長
レノバの木南陽介社長
(出所:日経BP)
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 軽米町は、メガソーラーの集積地となっており、象徴的な案件が今回の「軽米東ソーラー」である。同町は、農山漁村再生可能エネルギー法に基づいて、農山村と調和する再エネ発電に関する「基本計画」を作成し、再エネ発電所を誘致している(関連インタビュー)。

 「軽米東ソーラー」も、こうしたメガソーラーの一つで、農山漁村再エネ法を活用して開発された中では、最大規模という。

 「基本計画」に記されている再エネ発電所のうち、売電を開始しているのが、スカイソーラージャパン(東京都千代田区)の出力約2MWのメガソーラー(関連コラム)と、十文字チキンカンパニー(岩手県二戸市)の出力約6.25MWの鶏糞バイオマス発電所である。

 開発中が、スカイソーラージャパンの出力約40MWが2カ所、レノバの「軽米西/東ソーラー」となる。

軽米町の山本賢一町長
軽米町の山本賢一町長
(出所:日経BP)
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 軽米町がメガソーラーを誘致するのは、施工時、運営時を通じて、地域経済を活性化する狙いからだ。施工時にも、地元企業への施工の発注や雇用だけでなく、宿泊や駐車、飲食、クリーニングなど、さまざまな波及効果に期待する。

 「軽米西ソーラー」、「軽米東ソーラー」の施工が始まったことから、実際にこうした経済効果が生じ始めているという。

 両メガソーラーの総事業費は、約400億円が見込まれている。

 軽米町の山本賢一町長は、「この400億円のうち、年に20億円、30億円ずつでも、軽米町の事業者の収入や雇用につながるような使い方をしてもらえれば、町の総生産が約270億円の軽米町にとっては、たいへん大きな経済効果になる。20年間の売電期間の管理なども含めて、長く友好、良好な関係を築いていきたい」と期待を示した。