【液晶テレビ大手】液晶パネル外販も手掛ける。電子部品、健康分野に注力。
シャープはプロジェクターに使う緑色の半導体レーザーで、光出力を従来から約4倍に高めた新製品を10月上旬から量産すると発表した。同社は赤色、青色と合わせて光の3原色をそろえており、より鮮やかな色合いの映像を作ることにつなげる。半導体レーザーは車載向けなど将来市場の大幅な拡大が期待されており、需要開拓を進める。
緑色半導体レーザーの光出力を130ミリワット、波長を520ナノ(ナノは10億分の1)メートルまで伸ばした。光出力が高いと、色の鮮やかさが増す特長がある。8月上旬からサンプル出荷を始め、福山工場(広島県福山市)で量産を始める。月産台数は50万台を想定している。
現在の主用途はプロジェクターだが、自動車部品メーカーなどへの供給を想定しており、自動車のフロントガラス上の矢印や時速表示などの運転情報をAR(拡張現実)で映し出すヘッドアップディスプレー(HUD)への採用を目指す。
シャープによると、半導体レーザーのディスプレー市場規模は2018年には260億円程度だが、今後は車載向けなどの伸びにより、25年には4兆4500億円まで拡大するという。
レーザー事業部の田中智毅部長は「レーザー方式のHUDは、既存方式に比べて小型化できるため普及が期待される。車載向けは早ければ23年の実用化を目指していく」と話した。
AR技術以外では、人工知能(AI)スピーカー製品への導入や、仮想現実(VR)でゲームなどを楽しむヘッドマウントディスプレー(HMD)にも対応できるとしている。
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