2017年3月期 通期決算ハイライト

岡本伊久男氏(以下、岡本):それでは2017年3月期通期決算の決算説明会を始めさせていただきたいと思います。

まずハイライトを3つに分けてピックアップしております。

売上については、今期にInstagram関連のサービスとアドテクノロジーを活用したニュース配信サービス「mitayo.」が順調に成長したことなどにより、売上高は前年同期比24パーセント増の18億6,000万円となっています。

続いて利益面におきましては、マーケティング事業の進捗が順調に進み、経営の効率化も進んだため、前年同期比およそ600パーセント増の1億9,800万円となっています。

営業利益率は、前年同期比8.8ポイント増の10.7パーセントとなっています。

当期純利益は、前年同期比191パーセント増の1億4,100万円となっています。

トピックスですけれども、今ご説明した当期純利益がアップしている要因の1つとして、 「ZEKKEI Japan」を17年3月末日付で株式会社ティ・エ・エス様に事業譲渡しており、その益も加算されてということになります。

2017年3月期 業績概要

続いて業績の概要です。今ご説明申し上げたとおり、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益とも前期を上回る業績になっています。

販売管理費が前期よりも少なくなっているのは、経営の効率化というところで、我々は事業の中でも新規事業を試しながらやっているのですが、その中でなかなか収益が上がらないと思ったものについては予算の減額をしたり、さらに厳しい場合はストップしていく、あるいは売却をしていくという体制を柔軟に取った結果として、昨期よりも販管費が少なくなっているという状況です。

売上高を過去3年並べると、18億からおよそ15億、それから今は18.6億へというかたちでV字回復しているんですけれども、営業利益のほうが顕著に出ております。

ここの差分はどういうことかというと、売上が上昇しているのはマーケティング事業が好調に推移したことによるのですが、実は(前期の売上高)15億の中で、ゲーム関連のSmarprise社の売上がここに入っていたんですけれども、そういったものを売却したので、当然今期は入らないのですが、それをカバレージしてさらにマーケティング事業が伸びていくと。利益面にそういった新規事業系がなくなっても影響はないと。

利益が出るマーケティング事業で売上をカバーしているので、利益率は回復しているという状況になっています。

売上高(四半期推移)

続きまして、四半期ベースでご説明します。2017年3月期において、我々の事業は季節変動がございますので、例えば4クォーターは企業様の期末の予算消化等などの影響もあって、毎年すごく伸びます。

その反動で1クォーターはちょっと落ちるというトレンドは変わってはいないのですが、QoQで、すべてのクォーターにおいて昨期を上回ることができているという状況です。

繰り返しになりますけれども、その理由としては、昨期にまだ始めたばかりでそれほど売上がついていなかったInstagram系のインフルエンサー・マーケティング、SNSサービスと、アドテクノロジーを使ったニュース配信サービスが、今期になって売上がついてきていることが貢献要因として最も大きいところです。

営業利益につきましても、2017年3月期におきましては1クォーター・2クォーター・3クォーター・4クォーターと順調に利益を伸ばしている状況です。

この中で、新規事業について、利益が出ないものはすべて止めてしまったのかというとそうでもありません。

始めたビジネスの中で、収益・売上・利益の貢献度はまだ低いですが、ユーザーの伸び等KPIが順調に進捗している新規事業、ソーシャルギフトの「Anny」については、引き続き事業の拡大・収益化を目指して先行投資を継続している状況です。

今後の事業展開 トレンダーズの事業内容

続きまして、2018年3月期以降、我々がどのようなことを考えていて、企業をどのように成長させていくかをご説明させていただきたいと思います。

今弊社の事業体として、マーケティング事業とECギフト事業がありますが、我々が上場前からやっていたのがSNSマーケティングです。

昔はブログのインフルエンサーを使ったマーケティング支援を行っていましたが、今はInstagram(のインフルエンサーを活用したマーケティング支援)がそれ以上に伸びてきています。

PRサービスというのは、Webでのニュースリリースやイベント、そういったも情報拡散を図るPRプランニングサービスを我々はやっていました。

それに対して、昨今はデジタルユーザーのインサイトをふまえた記事コンテンツを制作・配信するエディトリアル広告を展開しています。

今まで我々はこういった広告のコンテンツになるような部分というのは、PRサービスの一環として作成したり、納品させていただくということはやっていたのですが、アドテクノロジーを中心にやられている会社さんと提携することによって、配信まで含めたエディトリアル広告、PRと広告の中間的なサービスを展開していて、これが今期売上をけん引した1つの理由でもあります。

さらに、今年は「デジタルマーケティング元年」とも呼ばれていますけれども、今申し上げたデジタルアドとPRの垣根がどんどんなくなっていく中で、アフィリエイト広告、あるいはFacebook広告を始めとした広告運用。

それからPMP・SSP、アド企業との提携をさらに進めていって、自社サービスの構築・運用にさらに注力していくということが今期のマーケティング事業の中心になります。

もう一方、2年前から始めている「Anny magazine」。ここはユーザーや決済数がようやく(成長)カーブを描いて上がってきましたので、さらに踏み込んで成長させていきたいと考えています。

マーケティング事業の事業モデル

今申し上げたマーケティング事業というのは、難しい言葉が出てきてわかりにくい部分もあるかと思いますので、今一度おさらいで、我々のビジネスモデルをご説明させていただきたいと思います。

我々の発注の経路となるクライアント企業。これは飲料・食品系のナショナルブランド様が最も多いです。それに対して、女性の化粧品、トレンド品、日用品といったメーカー様からのご引き立ても大きいです。

こういった方々がエンドクライアントで、我々に直接マーケティングの予算を預けていただいて、インフルエンサー・マーケティングやメディア拡散を組み合わせて納品させていただくというパターンと間に広告代理店様が間に入って受注を受けるパターンの両方があります。だいたい4対6ぐらいの割合となっています。

マーケティング事業のマーケット戦略

先ほど「デジタルマーケティング元年だ」という話を申し上げましたが、今、我々がどのようにマーケットを分析して見ているのかというところをご説明させていただきます。

マーケティングの中でいうと、初めにサービスあるいはプロダクトの存在を知ってもらう認知から始まります。

今までクライアント様が一番大きくマーケティング予算をかけられてきた部分というのは、テレビを始めとしたマス広告になります。とくに我々のメインのクライアント様におかれましては圧倒的にテレビが大きいと。

ただ、テレビ一辺倒ではなかなか難しい部分があって、実際の購入に至るまでをやっていかなければいけないという時に、例えばデジタルでネット広告をしながらお客様を刈り取っていく。

こういったことをやられている会社様というのは、例えば健康食品様であったり、美容系であったり、金融系のクレジットカード、あるいはカードローンといったところがメインのクライアント様になっています。

そういった企業様は、ここのアドテクノロジーをきちっと理解してぐるぐる回しながら、より効率のいい獲得をどんどんやられています。

一方で、大手の化粧品メーカー様であったり、食品メーカー様というのはあまりここを使われなくて、今まではテレビをやりながら流通の棚を取っていくというところに注力してきたということで、同じマーケティングとは言えど大きく2つに分かれています。ただ、ここをやっていかないといけないよねという時に、ここの中間はないのかなと。

例えば、ブランドの価値を守りながらも、ただ「テレビに出ました、雑誌に出ました」ということではなくて、どういった人が、何人この広告を見て、どういう反応をしてくれたのかというところまで追えるというところがようやく動き始めていると。

ここの間に入るサービスとして、先ほど申し上げたエディトリアル広告、SNS、ネットマーケティング、さらにコンテンツを1つのメディアで流すだけではなくて、最近ではFacebookの広告を使ってコンテンツをさらに拡散していって、運用しながら購入に至るところまで追いかけていくと。

今、こういうところを一気通貫でマネジメントできるサービスが市場から求められているのではないかと考えています。

私どもはどちらかというとマスではないんですけれども、例えばSNSを使ってサービスやプロダクトを知っていただくブランディングのお手伝いに注力しています。

極論を言うと、それで何人の人が購入できるかという、数字が出る部分は正直あまり我々の得意分野ではないので、認知の部分だけ、ブランディングの部分だけ受けさせてくださいというお話をさせていただいていたんですけれども。

そこから1歩踏み込んで、ここに至るまでのマネジメントを一気通貫コントロールできるような存在になりたいというところで、新しいサービス、新しい部署の設置と人の教育を含めて大きくシフトしたのが昨期です。今期はそれをさらに進めていきたいと考えております。

Instagramマーケティングの市場環境

個々にですけれども、この2017年3月期で我々の業績をけん引したInstagramマーケティング。弊社では「LIN((Life-Influencers Network))」というサービスなんですけれども、そこの背景を少しご説明しておきます。

Instagramのユーザー数の推移ということで、とくに若年層はInstagramを見ながらそこで自分のセンスに合うものを購入したり体験したりということで、若年層のライフスタイルに大きく影響を与えるツールとして成長しています。ユーザーについてもこのように右肩上がりで伸びていっています。

今まではGoogleで検索して自分の欲しいものを探すというのが普通の行動だったんですけれども、今の若い人たちはInstagramで検索して、自分の求めているものを探すようになってきていますので、そのへんの伸びはまだまだ続くかなと思っていますので、この市場環境の伸びに合わせて、引き続きInstagramのインフルエンサー・マーケティングを拡大していきたい考えております。

マーケティング事業の新たな取り組み①

続きまして、アドテクノロジーとの新しい取り組みということで、先ほどアフィリエイトなどの話をしましたけれども、どのようなことを新規で考えているのかというと、新しい取り組みとして金融サービス特化型のアフィリエイト広告の提供を開始しています。

また、自社でもメディアを作成し、他のメディアを組み合わせながら、ターゲットユーザーにリーチして広告を配信していくということも始めています。

マーケティング事業の新たな取り組み②

その他としては、PMP機能を提供するintelishさんと共同でPMPサービスを展開していくということに取り組んでいます。

このPMP、プライベートマーケットプレイスというのは、「このメディアにしか出ませんよ」というリストをあらかじめつくって、その提示したメディアの中で広告運用を実現させていくというサービスになるんですけれども。

我々は美容や食に親和性の高いメディアと連携しながらPMPのサービスをしていくというかたちで今スタートしております。

マーケティング事業の今後の展開

これが売上と今後の戦略の相関図です。

もともとやってきたSNSとPRサービスに対して、エディトリアル広告が伸びてきて、3分の1ずつの売上構成になっています。昔はこの黄色い部分はなかったので、3年前はまったくの0でした。それが今、3分の1になってきていると。

この3つのサービスをさらに伸ばしていくんですけれども、薄い水色のアフィリエイト広告・トレーディングデスク・アドテクノロジーというさらにテクノロジーを要する部分についても今期から挑戦して、今後2年3年の売上成長の1つの柱にしていきます。

イメージではありますけれども、昨期から始めているエディトリアル広告やアドテクノロジー系のアフィリエイトが売上の半分以上を占めるようにしていきたいと考えています。

ギフトEC事業

続きまして、ギフトEC事業について簡単にご説明します。Annyについては2年間やっています。

我々が自社でECをするのは初めての取り組みになりますので、本当に1からのスタートではありましたが、ようやくユーザー数と決済数が上がってきていると。まだまだ額にすると全体にインパクトを与えられる数字ではありませんが、やっと右肩で上がってきました。

本当に1つひとつのUI・UXの改善、小さなパネル分析を行いながら徐々に改善していくということをコツコツ積み上げというかたちでやっています。

なぜこのようなビジネスをしているのかというと、2つ大きな目的があります。我々の現況はやはり受注型になりますので、農耕型か狩猟型かで言うと狩猟型になります。

案件に対してご提案させていただいて、要件をいただいて、それを受注するということを繰り返していくと。

それに対して、経営の安定化を考えた時に、定量的に増えていくビジネスモデルを社内につくりたいというのが我々の希望です。

このEC事業はそういうかたちになっていくモデルですので、これを成功させたいと。先ほどのアドテクノロジーの部分も1個1個の受注ではなくて、年間の予算の運用という形になりますので、定量的に増えていくモデルになると思います。

ここのビジネスモデルのシェアを増やしたいというのが、我々の戦略の大きな1つです。

もう1つはこういう自社でECをつくっていくことは、採用の部分でも、やはりわかりやすいサービスはとくに若いエンジニアにはウケが良くて、アドテクノロジーの会社でエンジニアを採るのはなかなか難があるんですけれども、こういったサービスをアイコンに、優秀なエンジニアを採用していきたいという中長期的な目的もあります。

2018年3月期 通期業績予想

来期の業績予想につきましては、売上で21億5,000万円、営業利益が2億5,000万円、経常利益も2億5,000万円、当期純利益は1億6,500万円を予想しています。売上については16パーセント増、営業利益・経常利益は26パーセント増を予定しております。

実際経営の効率化というところについては、この期も続けてまいりたいとは思いますが、先ほど申し上げたような、ソーシャルギフトへの投資であったり、アフィリエイト広告型のモデルへの投資。

こういったところは引き続き行っていって、スクラップアンドビルドを繰り返しながら新しいサービスをどんどん収益の柱に持っていくということにチャレンジし続けたいと考えています。

以上、手短ではありますが、決算説明を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。