【3800】ユニリタ(東証JQS) ---
現在値 1,812円/100株 PER15.2 PBR1.33 3月配当株主優待 9月配当
独立系ソフト開発会社。メインフレームからオープン系までカバー。
配当金は3月9月合計54円配当のため、配当利回りは2.98%となります。
ユニリタは株主優待制度を実施しており、3月末に単元株を保有する株主に対して、2千円
分のJCBギフトカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.07%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 71.2億円、経常利益 15.7億円、EPS 133円
■2016年3月期 売上高 71.9億円、経常利益 16.3億円、EPS 172円
■2017年3月期 売上高 69.4億円、経常利益 15.5億円、EPS 125円
■2018年3月期 売上高 70.5億円、経常利益 14.5億円、EPS 114円
■2019年3月期 売上高 93.0億円、経常利益 14.8億円、EPS 118円 ce
□2018年9月中 売上高 44.2億円、経常利益 6.6億円、EPS 52.9円 ce
2018年3月期の売上高は前期比1.7%増の70.5億円、経常利益は同6.5%減の14.5億円となり、
期初予想を下回って連続減益となりました。育成中のクラウド事業が順調に伸びたものの、
プロダクト事業では上期の受注遅れが発生したほか、プロダクト等の導入サービスである
ソリューション事業もそれに引っ張られて、セグメント減収となりました。また、利益の柱で
あるメインフレーム事業は縮小が続いたものの、概ね想定通りに収まった模様です。事業
別業績より全社業績が特に悪いのは、クラウドやIoTのRD費用が増加したことによります。
進行期である2019年3月期の予算に関しては、売上高が31.8%増の93億円、経常利益は
同1.8%増の14.8億円と大幅な増収を見込んでいます。会社としてはクラウド事業に資源
を集中させる方針であり、当該セグで5割もの増収を見込んでいるほか、コモディティ化
が進むプロダクト事業においても、既存品を拡張させるソリューション型営業で巻き返す
計画となっています。なお、全社で大幅増収となる要因は、本年2月にSIerである無限を
6.3億円で買収したことが大きく、実績ベースで20億円超がトップラインからオンされます。
(※本買収にともない、BSにのれん代が5.3億円計上され、償却が発生するので注意)
実績期は旧3年中計の最終年度でしたが、目標とする売上高100億円・経常利益24億円
予想に対して大幅未達での決着となりました。これは帳票系の大型案件の剥落や、期待
されたMA案件が無かったこと等が主な要因です。今般、2021年3月期を最終年度とする
新中計を策定しており、3年後に売上高110億円(CAGR16.0%)・営業利益20億円(CAGR
18.2%)を目指しています。稼ぎ柱のメインフレーム事業は緩やかな縮小を見込みつつも、
既述のとおりクラウド事業を伸ばす計画であり、特定業界にフォーカスした“業界SaaS”
の開発や、プロダクトへのAI実装やIoTに絡めることで、高付加価値型のソリューション
営業を図る計画です。これに併せて、本中計期間でRD費用を一挙に30億円程突っ込む
方針となっており、3年間の営業CFの殆ど全部を費やしてオーガニック成長を狙います。
昨年4月に資本業務提携をしたアイネット(9600)社、との協業効果があまり見えてこない
のは、直接の競業関係ということや、株式持合いが薄すぎるのが原因かもしれませんが
今後は多額のRD費用が必要となり、両社とも単独で生き残るには微妙なサイズの会社
であるという認識はあるやに思いますので、提携効果の発現を待ちたいと思います。
なお株主還元に関しては、これまでの配当性向30%基準を変更し、純資産配当率(DOE)
3.5%基準に設定し、これを向こう3年で段階的に4.5%まで引き上げる計画となっています。
今期は8円増配となる54円配を予想しており、DOEで3.9%・配当性向で45%水準まで向上
します。当社は150億円ほどの時価総額ながら、ネット現金を90億円も抱えているため、
上記の“無理目な”中計目標値が仮に未達に終わったとしても、株主還元策に関しては
好財務をテコに一層充実される可能性が高いとみられ、少なくとも2021年3月期の配当
予想である71円については、かなり蓋然性ものと考えています。
*参考記事① 2017-06-22 1,729円 ---
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