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サステナブルな高成長を続ける高収益企業を巡る旅~第2章~

さて、半年以上空いてしまいましたが、前回第1章とした以上、続きを書かなくてはなりません(笑)。前回の第1章では、最高の企業とは「サステナブルな高成長を続ける高収益企業」という仮定のもと、全上場企業の中から3つのふるいに耐えうる銘柄を10社選び抜きました。

今回はその10社を使って、稼ぐビジネスモデルを持っていると推定される企業を見ていきたいと思います。誤解を恐れずに言えば、「儲かる企業と同じように設計されたビジネスモデルを持っている企業は、同じように儲かることが多いはず」という仮説からのリサーチです。

ここで儲かる企業と同じように設計されたビジネスモデルかどうか、似ているのか、似ていないのかを主観で判断するわけにはいきませんし、3500社以上ある全上場企業のビジネスモデルを詳細に把握することは個人では不可能ですので、第三者的立場である会社四季報に記載されている「比較会社」の欄を活用するという方法で探っていきます。

四季報記載の定義によれば、「比較会社は、当該企業と同業、あるいは類似業種の上場企業を1~3社掲載したもの。選考は四季報編集部が独自に行い、時価総額などの規模が近いもの、営業地域が近いものを優先した。株式市場などで注目されている企業の同業・類似企業の検索や、業界研究などで活用していただきたい。」とのこと。

まず、前回最後まで残った10社の比較会社の欄を見て見ましょう。

エムスリー(2413)→ケアネット(2150)/日本エマージェンシーアシスタンス(6063)/データホライゾン(3628)

スタートトゥデイ(3092)→楽天(4755)/ユナイテッドアローズ(7606)/夢展望(3185)

エス・エム・エス(2175)→クイック(4318)/ディップ(2379)/エムスリー(2413)

カカクコム(2371)→リブセンス(6054)/エムスリー(2413)/ボヤージュ(3688)

大東建託(1878)→大和ハウス(1925)/積水ハウス(1928)

MonotaRO(3064)→ミスミG(9962)/アスクル(2678)/トラスコ中山(9830)

日本M&Aセンター(2127)→GCA(2174)/ドリームインキュベーター(4310)

日本管理センター(3276)→大東建託(1878)/レオパレス(8848)/毎日コムネット(8908)

インターワークス(6032)→アルバイトタイムス(2341)/リブセンス(6054)/ディップ(2379)

マークラインズ(3901)→エムスリー(2413)/MonotaRO(3064)

こうして見ると、比較会社に「ふるいに耐えた10銘柄」を持っているのが、エス・エム・エス(2175)、カカクコム(2371)、日本管理センター(3276)、マークラインズ(3901)の4銘柄になります(exエス・エム・エスの比較会社には第1章で最後までふるいに耐えたエムスリー(2413)が記載されているという意味)。エス・エム・エス(2175)がエムスリー(2413)持ち、カカクコム(2371)もエムスリー(2413)持ち、日本管理センター(3276)が大東建託(1878)持ち、マークラインズ(3901)がエムスリー(2413)+MonotaRO(3064)持ちです。

では、対象を日本株全銘柄に広げると、比較会社に「ふるいに耐えた10銘柄」のいずれかを持っている会社というのは、エスエムエス(2175)、カカクコム(2371)、日本管理センター(3276)、マークラインズ(3901)以外にどのくらいあるのでしょうか。最新四季報(2017年4集)を用いて、証券コード順に全部拾ってみましょう。

<1000番台>
東建コーポレーション(1766) ※大東建託(1878)持ち
大和ハウス工業(1925) ※大東建託(1878)持ち
積水ハウス(1928) ※大東建託(1878)持ち

<2000番台>
LIFULL(2120) ※カカクコム(2371)持ち
ケアネット(2150) ※エムスリー(2413)持ち
リンクアンドモチベーション(2170) ※日本M&Aセンター(2127)持ち
プラネット(2391) ※エムスリー(2413)持ち
ぐるなび(2440) ※カカクコム(2371)持ち
比較.com(2477) ※カカクコム(2371)持ち
アスクル(2678) ※MonotaRO(3064)持ち
パルグループHD(2726) ※スタートトゥデイ(3092)持ち

<3000番台>
ラクーン(3031) ※MonotaRO(3064)持ち
シュッピン(3179) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
ビューティーガレージ(3180) ※MonotaRO(3064)持ち
夢展望(3185) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
ジェネレーションパス(3195) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
AMBITION(3300) ※日本管理センター(3276)持ち
TOKYOBASE(3415) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
ピクスタ(3416) ※カカクコム(2371)持ち
シーアールイー(3458) ※日本管理センター(3276)持ち
デュアルタップ(3469) ※日本管理センター(3276)持ち
ジェイ・エス・ビー(3480) ※日本管理センター持ち
ベガコーポレーション(3542) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
ディファクトスタンダード(3545) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
ロコンド(3558) ※スタートトゥデイ(3092)+MonotaRO(3064)持ち
ピーバンドットコム(3559) ※MonotaRO(3064)持ち
アイスタイル(3660) ※エムスリー(2413)+カカクコム(2371)持ち
エニグモ(3665) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
ブロードリーフ(3673) ※MonotaRO(3064)持ち
オークファン(3674) ※カカクコム(2371)持ち
じげん(3679) ※カカクコム(2371)持ち
みんなのウェディング(3685) ※カカクコム(2371)持ち
メディカル・データ・ビジョン(3902) ※エムスリー(2413)持ち
オープンドア(3926) ※カカクコム(2371)持ち
カナミックネットワーク(3939) ※エムスリー(2413)持ち
シンクロフード(3963) ※カカクコム(2371)持ち
イノベーション(3970) ※カカクコム(2371)持ち

<4000番台>
クイック(4318) ※エス・エム・エス持ち
ヤフー(4669) ※スタートトゥデイ(3092)持ち
クリーク・アンド・リバー(4763) ※エムスリー(2413)持ち
山田コンサルティンググループ(4792) ※日本M&Aセンター(2127)持ち

<5000番台>
該当なし

<6000番台>
弁護士ドットコム(6027) ※エムスリー(2413)+カカクコム(2371)持ち
アドベンチャー(6030) ※カカクコム(2371)持ち
MRT(6034) ※エス・エム・エス(2175)持ち
デザインワンジャパン(6048) ※カカクコム(2371)持ち
イトクロ(6049) ※エムスリー(2413)+カカクコム(2371)持ち
M&Aキャピタルパートナーズ ※日本M&Aセンター(2127)持ち
メドピア(6095) ※エムスリー(2413)持ち
ストライク(6196) ※日本M&Aセンター(2127)持ち
キャリア(6198) ※エス・エム・エス(2175)持ち
キャリアインデックス(6538) ※インターワークス(6032)持ち
MS-JAPAN(6539) ※エス・エム・エス(2175)持ち
インターネットインフィニティ—(6545) ※エス・エム・エス(2175)持ち

<7000番台>
FPG(7148) ※日本M&Aセンター(2127)持ち
JIA(7172) ※日本M&Aセンター(2127)持ち
ユナイテッドアローズ(7606) ※スタートトゥデイ(3092)持ち

<8000番台>
レオパレス(8848) ※大東建託(1878)持ち
スターツコーポレーション(8850) ※日本管理センター(3276)持ち
毎日コムネット(8908) ※日本管理センター(3276)持ち
シノケングループ(8909) ※日本管理センター(3276)持ち
エリアリンク(8914) ※大東建託(1878)持ち
青山財産ネットワーク ※日本M&Aセンター(2127)持ち

<9000番台>
ストライダーズ(9816) ※日本管理センター(3276)持ち
ミスミグループ(9962) ※MonotaRO(3064)持ち

という感じで、まぁ結構あるわけなんですが、数えてみると64社出てきます。この68社(4社+64社)のうち、比較会社に「ふるいに耐えた10銘柄」を「複数」持っている会社というのはどのくらいあるのでしょうか。

ロコンド(3558) ※スタートトゥデイ(3092)+MonotaRO(3064)持ち
アイスタイル(3660) ※エムスリー(2413)+カカクコム(2371)持ち
マークラインズ(3901) ※エムスリー(2413)+MonotaRO(3064)持ち
弁護士ドットコム(6027) ※エムスリー(2413)+カカクコム(2371)持ち
イトクロ(6049) ※エムスリー(2413)+カカクコム(2371)持ち

調べてみると、「ふるいに耐えた10銘柄」を「複数」持っているのはこの5社に限定されます。5社のうち、4社は何かに引っかかって前回最後まで残れなかったはずですが、稼ぐ力の素質は相当に高いのではないでしょうか。その片鱗として、上場時期が最も早いアイスタイル(3660)はすでに上場来安値からのテンバガーを達成済みです。この5社の中で、自身もふるいに耐えた銘柄となるとマークラインズ(3901)のみということになります。

比較会社にエムスリー(2413)とMonotaRO(3064)というクロスを持ち、なおかつ自身もサステナブルな高成長&高収益のビジネスモデルを重ねる3段重ね銘柄マークラインズ(3901)、比較会社で絞っても、この会社今後相当有望なのでは?というのが四季報の「比較会社」から見た相対評価の語る所です。


※当記事は、証券投資一般に関する参考資料及びデータの提供を目的として作成されており、投資勧誘を目的としたものではありません。


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