QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2018/05/24)
・銀行単体は堅調だがFCTI社が赤字で足を引っ張る
18/3期連結業績は前期比5%増収、経常4%増益。セブン銀行単体ではATM台数の増加、平均利用件数の減少幅縮小、経費抑制等で経常9%増益と堅調だったが、米国子会社FCTI社の業績は想定より悪化し、赤字が拡大した。会社は19/3期の経常利益を前期比4%増の398億円と計画。銀行単体で小幅増益を見込み、FCTI社は引き続き赤字となるが、赤字幅縮小を見込む。企業価値研究所は19/3期経常利益を400億円と予想。前回予想を維持する。経常収益は増加を見込むが、会社計画にはやや未達リスクがあるとみる。会社の経費計画にはバッファーがあり、利益計画は達成可能とみる。
・増収増益基調を予想。配当も増加を見込む
当研究所は20/3期、21/3期も増収増益を予想。20/3期予想はFCTI社の業績回復の遅れも踏まえ減額するが、減価償却費の減少で増益が強まるとの見方は維持し、2桁増益を見込む。21/3期は第4世代ATMの償却負担などを見込むが、FCTI社が利益の足を引っ張る状況は解消するとみる。19/3期の配当は増額される余地があり、同社の配当は予想期間中、増加基調が続くとみる。
・リスクファクター ~利用件数の伸び悩みなど
・アナリストの投資判断 ~利益回復見通し等踏まえると割安感
株価は今年1月24日に420円まで戻した後は調整。FCTI社の苦戦、キャッシュレス化進展やコンビニATM間の競争激化の報道等が影響した可能性がある。当研究所の19/3期予想に基づくPERは約15倍。同社の過去3年平均、関連する小売セクターの現状の平均などと比べ低い。20/3期に向けた利益回復、配当増加の見通し等を踏まえると割安感があり、今後は利益回復を確認しつつ、上値を試す展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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