三菱UFJ銀の三毛次期頭取「内外屈指の商業銀行に」
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG、8306)傘下の三菱東京UFJ銀行は24日、6月14日付で小山田隆頭取が退任し、新頭取に三毛兼承副頭取が就任する人事を発表した。同日夕に開いた記者会見で三毛氏は「退任する小山田頭取の意志を受け継ぎ、内外屈指の商業銀行にしたい」と抱負を語った。
会見には三毛氏と平野信行会長(MUFG社長)が出席。平野会長は小山田氏の退任の理由について健康上の理由を挙げた。19日に小山田氏本人から「体調悪化で思うように任せない。頭取の業務を遂行できない」との辞意が指名ガバナンス委員会に正式に伝えられたという。具体的な病状については、個人的なこととして明らかにしなかった。
平野氏は小山田氏の体調不良について2月に報告があったことを明らかにした上で、「万一の事態を想定して危機対応プランは策定していた」とし、経営上の問題はなかったことも強調した。
平野氏は三毛氏を次期頭取に選んだ理由として「タイや米国の子会社での経営の経験があり、内外の信望も厚い」と語った。低金利環境が続き、利ざやで収益を稼ぐ従来のビジネスモデルでの成長が難しくなっている中、三毛氏は「MUFGのグループ力を生かし、どうやって金融サービスに付加価値をつけるかが重要になる」と説明。三菱UFJ銀に三菱UFJ信託銀行の法人事業を移すなど、グループ全体で進めている事業再編を進めて競争力を高める従来の方針に変更はないとした。三毛氏はMUFGの副会長も兼務する予定で、グループ経営にも関与していく。
三毛 兼承氏(みけ・かねつぐ)79年(昭和54年)慶大経卒、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。06年執行役員、13年専務執行役員、16年副頭取。東京都出身。60歳
〔日経QUICKニュース(NQN)〕