電子地域通貨を実験 伊予銀、本店400人で近隣店舗と
伊予銀行は独自の電子地域通貨「イヨギンコイン」を使った決済サービスの実証実験を2月16日から始める。本店の役職員約400人が対象で、期間は約3カ月。技術やセキュリティー、運用面などの課題を検証し、地域への導入を目指す。
実験はスマートフォン(スマホ)向けアプリ開発のアイリッジ(東京・港)のシステム「マネーイージー」を使い、伊予銀本店内の食堂や、協力を得られた近隣の飲食店約10店舗で行う。「イヨギンコイン」は1コイン=1円とし、実験参加者1人あたり月1万円程度の利用を想定する。
利用者は事前に専用アプリに入金し、支払時に店舗のQRコードを読み込む。画面上の指示に従って利用金額を入力し、店員の確認を受けた上で送信すると決済される仕組みだ。店舗側は初期投資や手間がかからずに導入でき、クレジットカードによる決済と比べて、手数料を抑えられるメリットがある。
同システムは飛騨信用組合(岐阜県高山市)が採用し、高山市などの店舗で電子地域通貨の利用が始まっている。
伊予銀は「資金流通を促して地域経済の活性化を目指すほか、スマートな決済手段で金融サービスを向上させたい」としている。今後も実験を重ね、イヨギンコインの一般へのサービス提供を目指す。地域に本格的に導入する際にはプレミアムを付与して普及を促し、訪日外国人観光客の利用も見込む。