満を持して「Ploom TECH」の拡販へ、JT(2914)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2914】日本たばこ産業(東証1部)  ---

現在値 3,714円/100株 PER18.4 PBR2.55 6月配当優待 12月配当優待

たばこが事業の中核。M&Aで海外たばこ事業を拡大中。
配当は6月・12月の年2回・合計140円を予想しておりますので、配当利回

りは約3.76%となります。

JTは株主優待制度を導入しており、6月・12月に単元株を保有する株主に

対して1,000円分の自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは
約4.30%となっております。なお、2単元まではこの利回りが維持されます。

業績を確認していきます。    
■2014年3月期 売上高 23,998億円 営業利益 6,482億円 EPS 235円  
■2014年12月期売上高 21,539億円 営業利益 4,997億円 EPS 199円変

■2015年12月期売上高 22,528億円 営業利益 5,652億円 EPS 270円 

■2016年12月期売上高 21,432億円 営業利益 5,932億円 EPS 235円

■2017年12月期売上高 21,250億円 営業利益 5,650億円 EPS 224円ce修
□2017年6月中 売上高 10,453億円 営業利益 3,132億円 EPS 125円(8/2)

2017年6月中間期の売上高は前年同期比2.9%減の10,453億円、営業利益

は同9.2%減の3,132億円となり減収減益となったものの、コンセンサス予想

比の営業利益は1割程度上振れた水準で着地しました。国内事業につい

ては、加熱式たばこ(NNP)の拡大により、販売数量が11%減少したものの、

NASのシェア拡大やコスト削減、「Ploom TECH」の増益により減益幅をある

程度縮小しました。海外事業も一部の新興国を除きトータルでは販売数量

を減らし、為替影響もネガティブに作用したものの、ロシア・英国の工場閉

鎖等によるコスト削減効果で、非GAAPベースでは増益を確保しています。

 

2017年12月期通期の予算は本中間時点で若干修正しており、売上高は

前期比0.9%減の21,250億円、営業利益は同4.8%減の5,650億円と多少増額

しています。海外事業において想定為替レートを円安方向に修正したほか

ロシア・英国では値上げ効果を見込みます。一方の国内事業に関しては、

NNP拡大による更なる環境悪化を織り込む形で、100億円超の減額修正を

行っていますが、引き続き「Ploom TECH」への投資は強化する計画です。

やはり当社の今後の趨勢を占う上で重要なのがこの「Ploom TECH」の成

否であり、現状圧倒的に先行する「iQOS(PM)」に対して「glo(BAT)」とともに

追いかける形となっていますが、この10月末から東京都下で本格拡販す

る計画(取扱店100→400店)であり、11月にはコンビニでもカプセルの販売

を開始します。ひと足先に「glo」が10月より全国販売を始めるため、また出

遅れる形となりますが、カプセルの販売は想定を超えているとみられ、各

種マテリアルからは経営陣の自信が伝わってくるため、少なくとも会社側

計画水準の確保は十分に期待出来そうな印象を受けます。

 

他方、当社のような“たばこ株”で論点となるのが株主還元ですが、一昨年

に配当性向を40→50%に引き上げており、やっと配当利回りで4%弱の水準

まで上昇しました。グローバルでは“たばこ株”は高還元株の筆頭格ですが、

当社は海外同業と比べた場合の還元意欲に劣るために見送られる傾向に

ありましたがが、配当にくわえて適当に自社株買いもするようになっている

ので、EPS増による増配も側面から期待出来るようになってきています。

 

あと怖いのは1.6兆円に上る巨額のれん代でしょうか・・・当社の海外買収

は某大手通信会社のそれと比べると一定の評価がなされる場合が多い

ですが、それでも最近はやや大味感のある買収が続いており、IFRS減損

リスクが付いて回ることは頭の片隅に入れておく必要があります。

 

*参考記事① 2014-12-21  3,410円 --

来期は配当性向50%観測もロシア危機が直撃、JT(2914)のレビュー。

 

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