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米KKR:日立国際電のTOB成立-2度の価格引き上げで達成

米投資ファンドKKRは9日、半導体製造装置などを手掛ける日立国際電気に対する株式公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。TOB価格を2度引き上げるなど条件変更を経てようやく計画を達成した。

  発表資料によると、TOB期限の8日までに日立国際電の普通株式25.55%(2624万2364株)の応募があった。応募株式の総数は買付予定数の下限(2481万5889株)以上となり、応募株式の全部を買い付ける。買付代金は約822億円で、決済開始日は15日。

  日立国際電の親会社である日立製作所は保有株式の約52%について、TOBの成立後に日立国際電が実施する自社株買いに応じる予定。KKRは残りの全株式を取得するための手続きを進める方針で、日立国際電は上場廃止となる見通し。

  KKRは4月、日立国際電の完全子会社化を目指し1株2503円で8月からTOBを実施すると発表。その後、株価が急騰したためTOB実施を見送ったが、10月には1株2900円に設定し再提案した。さらに11月には価格を3132円に引き上げ、期限も12月8日に延長していた。日立国際電の8日の株価終値は前日比0.8%高の3155円と最終的なTOB価格3132円を上回っていた。

  日立国際電は、TOB成立を受けて組織再編を行う。主力の半導体事業はKKR傘下のファンドが吸収する。残る映像・通信ソリューション事業は別会社に分割される予定。映像・通信の事業会社には日立と日本産業パートナーズ傘下のファンドがそれぞれ20%ずつ出資し、残り60%をKKRが出資する。

  このTOBについては、米投資ファンドのエリオット・マネジメントが日立国際電株を保有していることが明らかになり、TOB成立の可否に注目が集まっていた。エリオットは9月から市場で日立国際電株を買い増しており、現在は日立に次ぐ第2位株主で8.59%を保有。投資目的は純投資。今回のTOBへの対応は一切表明していない。

  

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