NYダウ、下げ幅450ドル超 フェイスブック急落がハイテク株売りに波及
【NQNニューヨーク=戸部実華】19日午後の米株式市場でダウ工業株30種平均の下げ幅が一時、前週末比450ドルを超え、2万4400ドル台まで下げた。2016年の米大統領選を巡る問題でフェイスブックが大幅安となり、ハイテク株全般に売りが波及している。
21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控える。2会合ぶりの政策金利引き上げが確実視されている。年内の政策金利見通しが上方修正される可能性もあり、金利上昇への警戒感も株の買い見送りムードにつながっている。
フェイスブック株は8%強下げる場面があった。同社の会員情報が、大統領選でトランプ陣営のキャンペーンに関与した英データ分析会社によって不正に利用されたと前週末に伝わった。米欧の議会からマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に証言を求める声が強まっており、広告規制の強化に発展しかねないと警戒されている。
フェイスブック株の急落で市場心理が冷え込み、ハイテク株全般に売りが広がっている。一時、アルファベット(グーグル)は4%安、アマゾン・ドット・コムは3%安となった。主力株の下落で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3%近く下げる場面があった。
投資家心理を測る指標で、別名「恐怖指数」と呼ばれるとされる米株の変動性指数(VIX)が急上昇した。前週末比30%強上げ、不安心理が高まった状態とされる節目の20を超えた。
ダウ平均の構成銘柄では、建機のキャタピラー、金融のゴールドマン・サックス、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)などの下げが目立つ。