エヌビディア、コマツにAI半導体 建機の自動運転も
米半導体大手のエヌビディアは13日、コマツと提携すると発表した。コマツの建設作業の効率化システムに人工知能(AI)半導体を供給する。コマツはカメラとAI半導体を組み合わせた画像解析技術を活用し、建機の稼働状況や作業の進捗を分析。建設工事の効率化につなげる。将来は建機の自動運転・無人作業も視野に、共同で関連技術を開発していく。
「コマツは建設作業をより安全かつ効率的に導く画期的な企業だ」。エヌビディア創業者のジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は13日午前、都内で開いた技術者向けイベントで今回の提携先をこう評した。
コマツは建機に取り付けたカメラが周囲を認識して事故防止につなげるほか、現場工事の進捗も把握するシステムを開発している。エヌビディアの半導体を用いることで周辺認識の精度が高まり、より安全に早く建設工事を進められるという。
大規模な土木工場の現場などでは上空にドローン(小型無人機)を飛ばしてカメラで整地状況を撮影し進捗を把握。その時の画像認識にエヌビディアの半導体を活用する。さらに建機に取り付けたセンサーの情報をもとに様々な機械の稼働率を把握し、エヌビディアのAIが最適な機械や設備類の運用にもつなげる。
コマツは2001年に建機の遠隔監視システム「コムトラックス」を導入し、世界中の建機の稼働状況を「見える化」した。スマートコンストラクション推進本部長を務める四家千佳史執行役員は「建設現場を可視化し、将来は無人化を念頭に取り組んでいる」と話した。