「ドライバーなし自動運転」初の公道実験 愛知県で
愛知県は14日午前、運転席に人を乗せずに公道で乗用車を走らせる無人自動運転の実証実験を同県幸田町で始めた。公道上の無人自動運転の実験は初めて。自動車産業が集積する強みをいかし、自動運転の技術蓄積で先行するのが狙いだ。
車両は人が運転に関与しない「レベル4」といわれる自動運転車。事前に作製した3次元地図を頼りにカメラやセンサーなどで走行地点を把握し、ハンドルやブレーキなどを自動制御する。
実験は同日午後まで予定され、町民会館周辺の約700メートルの周回コースを時速15キロ以下で走る。一般車両も通行できる公道で交通規制しないで実験するため、事故が起こりそうな場合は遠隔操作でブレーキをかけられるようにしているほか、助手席の補助者も停車できるようにしている。
警察庁が6月に策定した公道での遠隔型自動運転実証実験の新ガイドラインに基づく初の取り組みという。
実験車に試乗した愛知県の大村秀章知事は「すぐそこにある近未来を先取りする実験だった」と述べたうえで、「日本一の自動車産業の集積地である愛知から実用化に向けた取り組みをしていきたい」と話した。
実験は測量ソフトを手掛けるアイサンテクノロジーなどと共同で実施した。今年度中に名古屋市の官庁街や春日井市の高蔵寺ニュータウンでも実験をする見通し。
ベンチャー企業のZMP(東京・文京)も同日午後に同様の無人自動運転の実験を東京都江東区の公道で実施する予定だ。