東洋ゴム、EV向け部品を共同開発 京大発企業と
東洋ゴム工業は17日、京都大学発の電気自動車(EV)スタートアップ、GLM(京都市、小間裕康社長)と共同でEV向けの複合部品を開発すると発表した。路面状況に応じて揺れを緩和する「アクティブサスペンション」を2020年に製品化する。電動化が進む自動車市場に合わせた製品づくりを急ぐ。
東洋ゴムが持つ自動車用ゴム部品の技術を生かす。これまでエンジン車向けに走行時の衝撃を緩和する空気バネや防振ゴムなどを開発してきた。EVはこれまでエンジン音でかき消されていた路面の凹凸による騒音や振動が目立つため、高い振動制御技術や静粛性が求められるという。
GLMはEVの足回りに使う部品に必要な性能などについてノウハウを提供。東洋ゴムの持つ走行再現装置や車両の動きを解析するソフトウエアなどの技術環境を共同開発に生かす。
EVはバッテリーやリチウムイオン電池などを搭載するため、エンジン車よりも重量が増えるとみられる。走行距離をどれだけ長くできるかが利便性に関わるため、将来はEV向けの低燃費タイヤの開発も視野に入れる。
東洋ゴムは17年に鉄道車両用部品やホースなどの化工品と、建材などの硬質ウレタンの売却を発表した。自動車用タイヤや自動車用部品に経営資源を集中する方針を掲げている。
GLMは10年に設立したスタートアップ企業で、高性能のEVスポーツカーを開発、製造する。部品の調達などで旭化成や独ボッシュなど大手と連携し、国内外200社以上と協力関係を築く。15年にはEVスポーツカー「トミーカイラZZ」の本格的な量産を始めた。