スルガ銀、暴力団員に住宅ローン
ずさんな態勢、改めて浮き彫り
スルガ銀行が住宅ローンを実行した相手に、指定暴力団組員がいた疑いのあることが15日、分かった。住宅購入資金を貸した相手が今年、警視庁に恐喝容疑で逮捕されて判明した。シェアハウスを巡る融資では改ざんされた審査書類に基づく不正な融資が横行していた。同行のずさんな審査態勢が改めて浮き彫りになった。
スルガ銀で問題となっている融資は、2010年に実行した住宅ローンだ。融資先が当時から指定暴力団の組員だったかどうかは不明だ。
スルガ銀は「個別事案のため具体的な回答は控える」と話している。全国銀行協会は反社会的勢力との関係を絶つための基本方針を定めており、スルガ銀も「基本方針にもとづいて対応している」としている。ただ、銀行では過去の融資先が反社会的勢力に加わっているかどうかのチェックや、関係の断絶など実効性の確保が課題になっている。
銀行と反社会的勢力との取引はこれまでも問題になっており、2013年12月にはみずほ銀行が暴力団関係者への融資を放置していたとして金融庁から一部業務の停止命令を受けている。