ゆうちょ銀副社長、異例の移籍 ソフトバンクグループ取締役に

 ゆうちょ銀行の佐護勝紀副社長(50)がソフトバンクグループの取締役に就任することが26日、分かった。ゆうちょ銀が同日、6月中旬の株主総会後に佐護氏が取締役を退任する人事を発表、ソフトバンクは同月20日の株主総会後の取締役就任を明らかにした。日本を代表する大企業の現役の経営層が直接、他社に移籍するのは異例。

 ゴールドマン・サックス証券出身で国際金融に詳しい佐護氏は、ゆうちょ銀では国債中心だった運用を株式や外国証券などへも振り向ける多角化を進めてきた。ソフトバンクでも、10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じ大型の海外投資案件の決定などファンドの運用や強化に携わるとみられる。

 一方、ゆうちょ銀は佐護氏が投資や運用の責任者だっただけに退任の影響が大きい。今後は「チームで運用していく」(日本郵政幹部)考えだが、通常貯金の預入限度額が撤廃され、資金が増えれば運用の多様化や高度化は今後も課題だ。

 ゆうちょ銀は26日、コメントを発表し、佐護氏の退任の理由について「新しい領域にチャレンジしたい」と申し出があったと説明している。

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