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3MとIBMが100枚シリコン積層チップ向け接着剤の共同開発で合意

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米国の3M社とIBM社は、3次元実装用の接着剤を共同で開発することで合意したと発表した。半導体チップを100枚でも1000枚でも高層ビルのように積んでいくようにすることが狙いである。IBMはこれによって超高性能のプロセッサを開発する。3次元実装を低コストで実現するための手段となりうる。

図1 3MとIBMが共同開発する接着材により100枚チップの実装を可能にする

図1 3MとIBMが共同開発する接着材により100枚チップの実装を可能にする


3次元実装技術はロジックチップを中心に考えると、解決すべき放熱の問題がある。共同で開発しようとしている接着剤は熱伝導性が良好な材料であることは言うまでもない。IBMの研究開発の責任者でVPでもあるBernard Meyerson氏は、「今の半導体チップは3次元トランジスタと言っても所詮は2次元の枠を抜けきれないフラットな構造だ。IBMが狙っているのは、とてつもないほどのコンピューティング能力を持つ半導体チップを非常に小型にしてシリコン超高層構造を作ることである。実装技術を進化させることにより、これまでにないような半導体、高速・高機能・低消費電力のチップを作れると信じている」と語る。

今回の提携では、IBMが独自の半導体パッケージを生み出す専門家であり、3Mは接着材料を開発製造する専門家であることを発揮して、画期的な技術を生み出すことになる。3Mの電子市場材料部門のVPであるHerve Gindre氏は、「IBMとはこれまでも一緒に仕事してきたが、今回の提携は特に全く新しいレベルに持ちあげてくれるので、革新的な3Dパッケージ技術を構築するのが楽しみだ」と語る。

接着材というテーマは3Mにとって46のコア技術プラットフォームの一つであり、3Mの接着剤は顧客ニーズにぴったり合う技術テーマだという。

(2011/09/08)

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