マザーズ上場BuySell Technologies、株式交換で買収したダイヤコーポレーションが「テレカのスルー取引」で取引先と紛争、刑事告訴される事態


■タレントを広告塔に立てCM展開するバイセル
■タレントを広告塔に立てCM展開するバイセル

東証1部エアトリ元社長のVC・ミダスキャピタルが出資し、19年12月に東証マザーズに新規上場したBuySellTechnologies(社長・岩田匡平、以下バイセル)が昨年11月に株式交換により16億円で買収した中古品リユース「ダイヤコーポレーション」が、買収前に乗り出したテレフォンカードの商流取引を巡り、取引先と紛争状態に陥っていることが分かった。ダイヤ社はこの商流取引により買収直前の決算を増収増益させており、バイセルによる企業価値評価にも疑問符がつく。
■古物商を営むS社(イニシャル)がダイヤ社に送付した内容証明や、警視庁渋谷署に宛てた「告訴状」によると、ダイヤ社は19年1月頃、S社が営むテレフォンカードの買取再販事業に参画した。この事業は、全国の古物商などから中古のテレフォンカードを買い付け、電話料金収納代行業者に販売し鞘を抜くというもの。S社は、古物商と収納代行業者に介在していたが、この地位をダイヤ社に移す見返りに、業務委託契約の形でダイヤ社が得た利益の一定割合を収受する予定だったという。
■S社によると、テレカの1枚あたり仕入れ価格は300円後半で、これを約420円で収納代行業者に販売しており、一カ月当たり取引量は13万枚で月当たりの売上高は約5500万円、利ザヤは445万円にもなるという。
■S社は19年1月末からダイヤ社をこのテレカの商流取引に介在させた。ところが、取引当初は利益の分配があったものの、同年3月以降は委託料が途絶えたという。S社は昨年4月、ダイヤ社に当初約束した利益の支払いを求めたが、ダイヤ社は業務委託契約に基づく業務の提供がなかった旨を主張し支払いを拒んでいる。S社の3300万円の請求に対して、「100万円」の和解金を提示するなど、溝は深い。S社は昨年10月に警視庁渋谷署に詐欺罪での告訴状を提出するなど、紛争状態に陥っている。
■このダイヤ社の紛争にバイセルも無縁ではない。ダイヤ社の業績は、上に見たようなリスクの高いテレカのスルー取引で盛られているからだ。S社の主張する取引量だと、ダイヤ社はこの商流取引で年間約6億5千万円の売上を計上していたことになる。
■ダイヤ社の決算は2月期であり、買収直前の20年2月期はこのテレカの商流取引による売上が全て計上されているとみられる。ダイヤ社のここ数年の業績は下記の通り、急成長している。

(千円) 20年2月期 19年2月期 18年2月期
売上高 6,064,386 5,105,490 2,977,049
売上原価 4,605,217 4,529,426 2,667,184
(原価率) 75.94% 88.72% 89.59%
販管費 1,054,991 452,502 283,140
営業利益 404,177 123,561 26,725
(営業利益率) 6.66% 2.42% 0.90%
営業外収益 2,347 4,692 27,959
営業外費用 5,581 4,626 4,420
経常利益 400,943 123,990 50,264
特別利益 2,012 1,551 906
特別損失 249 0 0
当期純利益 402,706 125,542 51,171
税引後利益 260,289 85,705 33,456

(ダイヤコーポレーションの過年度業績)
■買収直前の20年9月期の売上高は958,896千円増加している。営業利益率も18年0.9%、19年2.4%、20年6%という成長トレンドとなっている。この利益率上昇の要因は、原価率の低下によるものが大きい。20年2月期は13%も原価率が下がっている。構造改革が図られたか、利益率の高い新規事業を始めたかでしか、ここまで大胆な利益率の改善は図れない。
■しかし、上記に見てきた通り、20年2月期に増収した約9億5千万円のうち、6億5千万円はテレカの商流取引によるものである可能性がある。その場合、増収増益とはいえ、売上や利益の質は悪いと言わざるを得ない。
バイセルはダイヤ社の企業価値をDCF法により算定しており、算定の前提となる財務・業績予想が、上記のテレカのスルー取引によって盛られたものである可能性がある。当サイトはバイセルに対して、S社との紛争の経緯について取材したが、期日まで回答はなかった。(文中敬称略)

 

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