【8963】インヴィンシブル投資法人/国内外ホテルが絶好調で再増配含み、外部成長が視野に入ろう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8963】インヴィンシブル投資法人(東証REIT) OP

現在値 57,000円/1株  P/E 20.9 P/NAV 1.07  6月分配優待 12月分配優待

フォートレスを主スポンサーとする総合型リート。ホテルが8割、住宅が2割。

分配金は年2回・合計2,399円(1,362円+1,037円)配のため分配金利回りは約4.21%となります。

 

インヴィンシブル投資法人は投資主優待制度を導入しており、6末・12末の単元投資主に対して、当法人保有ホテルと一部のパイプライン物件のホテル宿泊について、ベスト・アベイラブル・レートから10%割引で予約が出来るサイトのコードを進呈しています。

業績を確認していきます。 

■2021年06月期_第36期 営業収益 38.0億円、経常利益▲35.9億円 DPU 15円 
■2021年12月期_第37期 営業収益 84.0億円、経常利益 10.1億円 DPU 166円

■2022年06月期_第38期 営業収益 76.8億円、経常利益 10.1億円 DPU 167円 

■2022年12月期_第39期 営業収益 119億円、経常利益 50.7億円 DPU 832円 

□2023年06月期_第40期 営業収益 153億円、経常利益 83.0億円 DPU 1,362円ce修正

□2023年12月期_第41期 営業収益 134億円、経常利益 63.4億円 DPU 1,037円 ce


2022年12月期_第39期の営業収益は第38期比+55.3%の119億円、経常利益は同*5倍の50.7億円で着地し、分配金も同+666円の832円と大幅な増収増益増配となりました。新型肺炎の感染一巡と10月からの全国旅行支援開始で尻上がりの回復基調を辿り、国内ホテル75物件の稼働率は前年同期間比+9.2pptの85.1%、ADRは同+158円の10,357円、結果RevPARは+1,066円4,020円となり、主要オペレーターのマイステイズ・ホテルマネジメント(MHM)から収受する賃料は歩合込再計算で通常固定分の22%増の78.6億円となりました。なお、ケイマン2物件は8月後半の政府規制までは低調だったものの、期末にかけて平時並みまで回復しました。
 

進行期である2023年6月期_第38期の見通しは4月末に増額しており、営業収益は前年同期間である第36期比2倍の153億円(期予:117億円)、経常利益は同8倍の83.0億円(期予:46.5億円)、分配金は同+1,195円の1,362円(期予:763円)に修正しています。期初時点でのRevPARは平時比84%の水準で予算組みしていたものの、全国旅行支援の継続やインバウンド需要の回復が著しく、実際は同90%を超える水準で推移しています。なお、ケイマン2物件は既に平時を2桁以上上回って好調をキープしており、国内・海外とも更なるアップサイドが見込めるような状況です。

 

今回公表の翌2023年12月期_第39期の予想については、営業収益が前年同期間である第37期比+12.9%の134億円、経常利益は同+24.6%の63.2億円、分配金は同+205円の1,037円を見込んでいます。此方は足許実勢を加味した4月の最新の見通しを反映しておらず、旅行支援なし&インバウンドの戻り前提を保守的に見込んだ“置き”の予想となっているため、大幅な上振れ含みと解されます。

 

当法人の収入の大部分を占めるMHMとのMLPM契約については、足許のRevPARの急速な戻り歩調により、現行約定通りの固定賃料(64.7億円)水準を回復しています。特に国内75ホテル75物件のGOPは前年同期間比*2.7倍の88.5億円と他指標以上に力強く回復しており、ダイナミック・プライシングによる価格戦略が奏功しただけでなく、きめ細やかな水道光熱費や食材費、人員配置コントロールが効いており、各種コスト高をこなして平時並みの収益水準に戻りつつあります。

 

また、海外のケイマン2物件は、アップサイドとなる増築計画こそ建築許可取得の手前段階で遅々として進んでいないものの、昨年8月の旅行規制完全撤廃以降は急速に回復しています。稼働率は回復途上にあるものの、RevPARは昨年末時点で既に平時水準を上回っており、北米からカリブ海でみられる“リベンジトラベル”の追い風を受け、足許でもRevPARが2桁成長するなど非常に強い状況が継続しています。

 

かような国内外の強含みの状況から、投資口価格はNAV水準を奪回しているため、改めて公募増資による外部成長が期待出来るフェーズに入ったものとみられます。短期で繋いでいた借入も長期化出来る状況となり、泳ぎ幅が格段に広がった印象を受けます。

 

*参考記事① 2022-06-07 42,800円 OP

【8963】インヴィンシブル投資法人/足許RevPAR急回復も、水光熱費等の原価増が懸念点。

 

*参考記事② 2021-11-22 42,600円 OP

【8963】インヴィンシブル投資法人/最悪期は脱した公算が高いが、復活は年明けから。

 

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