長期投資家・バリュー投資家は今こそゲーセクに目を向けるべき

特に、グリー・DeNA・ミクシィのような、流動性が高い資産を持つにもかかわらずピークから業績が落ちこんで、PBR1未満となり、更にはネットネット株に近づきつつあるような銘柄。

例えばグリーは、流動資産987億で、その9割以上が現金・預金・売掛金。
負債は125億。時価総額は1082億。PBR0.90。
PBR0.90は数字だけ見ればそこまで割安には感じないかもしれないが、換金性の高い資産が殆ど。無形固定資産のソフトウェアやソフトウェア仮勘定をほとんど計上していないので、資産として資本財などが計上されている企業と比べると償却1回転分、割安に見れる。

DeNAは、流動資産1081億で、その8割以上が現金・預金・売掛金。
非流動資産に経常されている「その他の長期金融資産」868億のほとんどは任天堂株。「持分法で会計処理している投資」223億。主な持分法適用会社はCygames。負債は684億。時価総額は2120億。PBR0.77。

こういった銘柄は

・1つ2つゲームが売れた程度では株価が動かないような、時価総額の高い企業には興味が無い投機家
・投機性が高いセクターに属するゲーム企業は買いや調査の対象にすらしていない長期投資家
・株価や業績が伸びている銘柄を買いや調査の対象にするモメンタム投資家

これらの多数派プレイヤーの狭間で、目を向けられること無く圧倒的なミスプライスが付けられて転がっている。

グリーやDeNAは、かつてAppleやGoogleのような巨人に負け、業績は大きく落ちてしまってはいるものの、長い停滞の果てに企業としての判断力や野心を完全に失ってしまったようなそのあたりのネットネット株とは異なり、次の大きな変化が起きればその変化に乗って大化けしうるだけの力を十分に残しているはず。

次の大きな変化というのが一体何になるのか、いつ起こるのかはまだ不確実ではあるものの、現段階で想定出来る未来としては、2020年代のうちに、VR・ARが大きな変化を起こす可能性が非常に高い。

VRに対する認識が数年前のPSVRで止まってる人にはピンと来ないかもしれないが、ここ最近の動向を見る限り、少なくとも今の時点では、AppleもFacebookもMicroSoftもdocomoもKDDIもソフトバンクもその前提で動いている。

もし、VR・ARの時代が来た場合、その時代のゲームに限らず、アプリやプラットフォーム開発においても、ゲーム企業には間違いなく圧倒的なアドバンテージがある。

◆AR・VRの開発で使われており、おそらく今後も使われることになるであろうUnityや、3Dに強い人材を既に抱えている。
◆あるいは不足していても、早い段階で育成できる(VR・ARの分野で、初期に伸びるコンテンツはゲームである可能性が非常に高い)。

最初に述べたようなゲーム銘柄を何個か持って10年ほど寝てみれば良い。
そのうちの1つくらいは数倍、あるいはサイバーエージェントのように次の変化に乗って10倍以上になってる可能性も十分にある。
安全域も十分。失敗してもどうせ大して損はしない。こんな期待値の高い勝負は滅多に無い。

くだらない先入観を捨て、数年前の認識はアップデートして、長期投資家・バリュー投資家は今こそゲーセクに目を向けるべき。


※本記事において、特定の個別銘柄や金融商品について触れている場合であっても、特定の証券の売買の推奨・投資勧誘を意図するものではありません。この資料を使用した結果について、如何なる責任も負いません

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