【2971】エスコンジャパンリート投資法人/行政処分一巡だが、外部成長には要時間とみられる。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2971】エスコンジャパンリート投資法人(東証REIT) OP

現在値 118,500円/1株  P/E 19.2  P/NAV 1.01 1月分配 7月分配 投資主優待なし

日本エスコンがスポンサー。生活密着型商業施設及びその底地が主要投資対象。
予想分配金は年2回の合計6,159円配のため、予想分配金利回りは約5.20%となります。

業績を確認していきます。 

■2021年7月期_第9期 営業収益 19.1億円、経常利益 10.0億円 DPU 3,538円 

■2022年1月期_第10期 営業収益 24.6億円、経常利益 12.6億円 DPU 3,601円 

■2022年7月期_第11期 営業収益 27.0億円、経常利益 12.6億円 DPU 3,604円 

■2023年1月期_第12期 営業収益 25.4億円、経常利益 11.9億円 DPU 5,283円(3/17)

□2023年7月期_第13期 営業収益 25.7億円、経常利益 10.8億円 DPU 3,077円 ce修正

□2024年1月期_第14期 営業収益 25.5億円、経常利益 10.8億円 DPU 3,082円 ce

 

2023年1月期_第12期の落着は営業収益が第11期比▲6.1%の25.4億円、経常利益は同▲5.9%の11.9億円、分配金は同+1,679円増の5,283円と減収減益ながらも上振れました。なりました。第11期の西春原復収入の反動減(▲255M)のほか、新賃料改定とBM費用が家主側に大きく寄せられたことから、同物件のNOIが半減しました。また、第12期の借換費用発生(▲55M)といったNOI以外の販管費増加が大きかったものの、営業外の受取賠償金(※後述、+666M)が膨らみ、分配金段階では一段増となりました。

 

進行期である2023年7月期_第13期の見通しも減額しており、営業収益が第11期比▲1.3%減の25.0億円(従予:24.7億円)、経常利益は同▲9.2%の10.8億円(従予:11.3億円)を見込み、分配金も同▲141円の3,077円(従予:3,218円)に修正しています。第12期発生の費用精算収入の剥落や入替時DT発生(▲66M)、清和台の漏水補償金支払(▲29M)、修繕費増(▲28M)等のほか、受取賠償金の剥落(▲666M)で分配金は大幅に減少します。

 

今回初開示となる翌2024年1月期_第14期の予想については、営業収益は第13期比+1.8%の25.5億円、経常利益は同+0.1%の10.8億円、分配金は同+5円の3,083円を予想しています。収入は清和台の支払補償金の剥落(+29M)、支出は借入費用発生(▲25M)を織り込むものの、エネルギー価格高騰による水道光熱費のネット支出増も一巡することから、全体ではほぼ横ばいとなる想定です。

 

当法人は2021年2月の2nd_POで約100億円(@145,282円)を調達し、「tonarie栂・美木多(50%持分、35.6億円/鑑定4.9%)」、「トライアル近江八幡店・底地(10.1億円/鑑定4.4%)」、「クスリのアオキ斑鳩店底地(7.1億円/鑑定5.3%)」など合計11物件を180億円で取得し、資産規模は696億円程となりました。ところが、「tonarie栂・美木多」など3物件はスポンサー意向により恣意的に曲げられた価格だったことから、当法人は6億円超の補償金を受け取るとともに、3ヵ月間の一部業務停止命令を受けた経緯があります。

 

なお、今次不祥事の財務影響については、平均0.5%だった調達金利は、足許0.49%と維持出来ており、R&I格付けも2022年11月付けで「A-(安定的)」据置となりました。当法人では翌々期に当たる2024年7月期頃から中期AUM目標である1,000億円に向けて、改めて外部成長を図ることとしており、「tonarieふじみ野」、「tonarieCREO(つくば)」、「ライオンズスクエア川口」といったパイプライン物件の取得を目指す目論見です。


*参考記事① 2022-12-17  119,500円 OP

【2971】エスコンジャパンリート投資法人/金商法違反で業務停止命令、補償金6.6億円を受領へ。

 

*参考記事② 2022-06-17 130,500円 OP

【2971】エスコンジャパンリート投資法人/西春リテナントは義津屋の一棟貸しで決着も、減賃痛い。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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