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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 大イベントには“後出しジャンケン”で対処!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「大イベントには“後出しジャンケン”で対処!」

●軟調銘柄が語る「市場の事実」

 この原稿が読者の目に触れる頃には、米中貿易協議の結果が出ている。今回はうまく行くだろう。東京市場はこんな楽観的な見方から、見切り発車で先週は後半盛り返した。

 私は、大イベントを控えている時には様子見が基本。動き出すのは結果が出てからでよい。つまり、「後出しジャンケン」で対応しよう。こう勧めてきたので、連休明けの15日からどう対応するかになる。

 協議がうまく行ったら買いでよいし、物別れに終わったらしばらく様子を見たあと出動すればよい。幸い、主力株の中でも特に動きが重い武田薬品工業 <4502> 、日立製作所 <6501> 、パナソニック <6752> 、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、JT <2914> 、日本郵政 <6178> などは小反発、もしくは下げ止まりの気配を見せている。

 中でも注目は、特段の買い材料が見当たらないJT、日本郵政が下げなくなっていることだ。だから有望、ということではない。下げてもおかしくないような銘柄が下げない。これは市場の底固さを示すという意味で、指標の役割を果たしていると見てよく、重視したい。

 株は、上昇する銘柄だけが市場動向を語るのではなく、軟調な銘柄も重要な事実を語るのだ。

●決算前にはポジション手仕舞いも

 ところで、いまは決算発表が相次いでいるが、どう対応しておられるだろうか。私はこの時期になるといつも、「持ち株は、決算発表前に売っておこう」と提言している。そんな面倒な、とあまり歓迎されないのだが、やはり売っておいた方がよい。

 決算が期待外れの内容だともちろん多くは売られてしまう。これは当然としても、問題は好決算発表でも売られてしまうことがあることだ。事前にかなり上げていたので、というような理由で。

 あるいは、好決算ではあるけれども予想には届かなかった、ということでも。もっと困るのは、事前予想を据え置いた、上方修正がなかった、こんな理由で売られてしまうこともある。

 要するに、決算発表に対する市場の反応は非常に読みにくい。となると、やはり発表前に売っておくのが無難、こうなる。

 さて、注目銘柄。まずは、リクルートホールディングス <6098> だ。8月まで順調に上昇していた株価は、その後急落した。傘下のリクルートキャリアが就活生のデータを本人の了解を得ることなく内定辞退率予測データとして企業に販売していたことが問題化、同サービスの廃止に追い込まれた。株価は当然のごとく急落してしまったのだが、いまはもう回復に向かっている。求人情報検索サイト「インディード」の利用増が続いているからだ。株価は今後も復調が続くと見てよい。

 プリント配線板用ドリルに強いユニオンツール <6278> の現在の水準は、なお上昇余力ありと見てよい。何しろこの会社はプリント配線板用ドリルで世界首位だ。今期落ち込んだ収益は、来期には復調の方向であり、株も期待が持てる。

 ラグビーのワールドカップ日本開催で、訪日外国人が増えている。オリンピック開催となるとさらに増加するのは明らかで、それによって潤うのが日本空港ビルデング <9706> 。株は、いまのうちに投資しておきたい。

 私のスマホはソニー <6758> のエクスペリア。これを買い換えるつもりはないが、iPhone11の人気が結構高い。カメラが3つ付いているのが好評なようだ(私にいわせると、3つもどうして必要なの?だけど)。しかし、販売好調によりKDDI <9433> 、NTTドコモ <9437> 、そしてスマホ向けケースなどのアクセサリーに強いHamee <3134> が魅力的だ。

 新興銘柄にも目を向けておくと、挙式事業で「みんなのウェディング」を運営するくふうカンパニー <4399> [東証M]、そしてブランド品リユース店「なんぼや」を運営するSOU <9270> [東証M]にも注目だ。

2019年10月11日 記

株探ニュース

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