エーザイ、抗がん剤「レンビマ」を中国で発売
エーザイは12日、抗がん剤「レンビマ」を中国で初めて発売したと発表した。切除できない肝細胞がんに最初に投与する「一次治療薬」として9月に承認を受けていた。中国では従来、末梢(まっしょう)性神経障害薬「メチコバール」など長く販売している薬を中心に提供してきた。規制緩和で欧米並みの薬事基準が整ってきたことから新薬も積極的に投入する。
中国で切除不能な肝細胞がんの新たな一次治療薬が承認されたのは約10年ぶり。中国の肝がん患者は年間約40万人と世界全体の半数を占め、治療薬のニーズが大きい。レンビマは米国で2015年に甲状腺がんで初めて承認を取得。18年3月に米メルクとレンビマの開発・販売で提携し、中国でも共同販促する。
エーザイの中国売上高は18年3月期に562億円と前の期比14%伸びた。レンビマの投入で一段の成長を目指す。中国は17年ころから承認審査期間の短縮など先進国並みに薬事制度を整える改革を進めている。内藤晴夫社長は1日に開いた18年4~9月期の決算会見で「新しい薬剤を拡販する方向に急速にビジネス構造を転換していく」としていた。
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