【8008】4℃ホールディングス(東証プライム) NT
現在値 1,934円/100株 P/E 31.9 P/B 1.10 2月配当優待 8月配当
宝飾「4℃」のエフ・ディ・シィ・プロダクツが中核。カジュアル・実用衣料の製造小売りも。
配当金は2月末・8月末の合計83円配当のため、配当利回りは4.29%となります。
4℃ホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末に単元株を保有する株主に対して2千円相当の自社製品等を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.32%となります。
業績をチェックしていきます。
■2021年2月期 売上高 394億円、営業利益 27.6億円、EPS 75.0円
■2022年2月期 売上高 380億円、営業利益 17.2億円、EPS 69.5円
■2023年2月期 売上高 395億円、営業利益 19.7億円、EPS 53.6円
■2024年2月期 売上高 400億円、営業利益 21.0億円、EPS 60.6円 ce
□2023年5月1Q 売上高 95.8億円、営業利益 7.2億円、EPS 23.4円(7/6)
□2023年8月2Q 売上高 190億円、営業利益 8.0億円、EPS 25.6円 ce
2023年2月期の売上高はYoY+3.6%の395億円、営業利益はYoY+10.7%の19.7億円となり、3Q時点の減額見通し並みの着地となりました。主力のジュエリー事業は、X'masの男性向けのギフト需要やブライダル需要が低調だったものの、4℃50周年記念商品の投入等により女性自用需要が拡大して横ばいとなりました。他方、アパレル事業のSSS102.1%と堅調に推移したほか、原価高騰影響は海外生産拠点活用とMDの見直しでかわして、6%の増収・増益を確保しました。
進行期である2024年2月期の予算については、売上高がYoY+1.2%の400億円、営業利益はYoY+6.1%の21.0億円を予想しています。ジュエリー事業は低調なブライダル向けを店舗集約することで減収となるものの、女性向け自家需要・ECフォーカスによる採算性向上で増益を見込みます。他方、アパレル事業については、実用衣料のパレットを10店出店するほか、海外生産拠点の強化とMD対策で続伸を予想しています。なお7月6日に公表済の1Qによれば、売上高95.8億円&営業利益7.2億円と早くも上振れ確実の情勢です。
進行期は3年中計の最終年度の位置付けであり、当初計画では売上高を394億円→450億円、営業利益27.6億円→37.5億円まで引き上げる目標としていましたが、進行期予算に照らせば売上・利益ともに大幅な未達が確定的です。新型肺炎禍後の中計であり、当初1~2年は影響を受ける前提で計画組みしていたものの、ジュエリー事業におけるブランドの棄損や原石等の原価高騰、挙式催行数減少によるブライダル需要の低迷が想定超となりました。
ジュエリー事業については、4℃のリブランディングに注力しおり、“蒸発”しつつある男性向けのギフト需要(当初構成比4割)の拡大を諦め、女性の自家需要に急速にシフトしています。これに従って、シンプルなデザインの普段遣い商品やトレンドアイテムの導入、休止したRUGIADAブランド復刻といったMDの拡充にくわえ、販売チャネルも実店舗よりECに注力するほか、LINE活用によるフリー客の獲得を推進します。
アパレル事業については、地盤の関西でのドミナント展開を基本としつつも“東進”し、東京23区外と神奈川北部を出店エリア候補に、5~10店のドミナント方式での出店を進めます。関東ではしまむらやパシオスと競合することから、価格競争力の高いバングラディシュ工場のOEM供給強化とともに、出店増によるスケール化と原価率低減により、基本的には価格訴求型で展開します。
財務状況については、自己資本比率は71.3%かつネット無借金であり、安定的な状況となっています。株主還元については、DOE4%と将来の年100円配当を掲げるとともに、進行期は横引きの年83円を予想しています。但し、連続増配記録は11期でストップしてしまっており、既に配当性向100%を超える“タコ配”が常態化しているため、再び増配基調に回帰するには要時間と解されます。
*参考記事① 2023-01-13 1,711円 NT
【8008】4℃ホールディングス/クリスマス需要不発で、12期連続の増配は“黄信号”か。
*参考記事② 2022-08-01 1,808円 NT
【8008】4℃ホールディングス/12期連続増配は実現微妙だが、株主還元は既にフル水準。
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