ブラス株式会社(コード:2424)は、完全貸し切り型のゲストハウスでウェディング事業を展開しています。
特に東海地域を中心に活動し、更に営業地域を拡大する意欲を見せています。
会社の特徴:増益増配期待
ブラスの主な特徴は、全店舗が1チャペル・1パーティ会場・1キッチンの完全貸し切り型であることです。
新規営業から打ち合わせ、結婚式の指揮までを1人のプランナーが担当し、それぞれのカップルに対してカスタマイズされたサービスを提供します。
この形態により、よりパーソナライズされたウェディングの提供が可能となっています。
2023年7月期には、過去最高の施行件数を予定しており、単価も順調に回復しています。
コロナショックで一時的に収入が減少したものの、赤字は1期だけで乗り切り、急速に回復しています。
ブラスは2027年7月期までに年2店舗のペースで新規出店を計画していますが、現状ではその計画が遅れ気味で、2023年7月期は新規出店がない可能性が高い。
そのため、ブラスの売上高の成長ペースが多少鈍る可能性はあるものの、順調な増益・増配の基調は引き続き期待できるでしょう。
株主優待:500円分のクオカード
- 権利確定月:7月
- 6カ月以上継続保有する必要あり
- 100株以上:自社オリジナルクオカード500円分
- 200株以上:自社オリジナルクオカード1,000円分
- 500株以上:自社お菓子1,500円相当
- 1,000株以上:自社オリジナルクオカード2,000円分、自社お菓子3,000円相当
2023年配当利回り約0.6%
- 18/7 12円
- 19/7 12円
- 20/7 無配
- 21/7 無配
- 22/7 4円
- 23/7 6円予定
- 24/7 増配に期待したい
割安な株価指標:有利子負債には注意
2023年6月14日の決算発表時には順調な業績と増配が発表されたにも関わらず、株価は低迷しています。
2023年7月5日のソシオショックを受けて市場全体が下落したのに釣られて、ブラスの株価も落ち込み、その後の円高株安の流れもあって、7月13日終値で935円まで売られています。
内需型のサービス業であり、完全に理不尽な下落といえます。
2023年度の予想PERは7.1倍、PBRは1.7倍と、十分に割安な水準といえます。
配当利回り0.6%は決して高い利回りといえません。
しかし、利益の成長に伴い、23年度の増配が発表されており、24年度にも増配が期待されています。
企業の業績が上向くことで株主還元が進む可能性を示しています。
自己資本比率は31.1%と企業の財務健全性を示しており、ROEは26.8%、ROAは6.2%と良好な収益性を持っています。
このことから、ブラスは自己資本を効果的に利用して収益を上げていることがわかります。
ただし、有利子負債は4,637百万円となっていて、この点には注意が必要です。
総じて、ブラスの株価は現在の財務状況や業績を考えると割安に感じられます。
しかしながら、その評価は市場全体の動向や有利子負債といったリスク要因をしっかりと把握した上で行うべきでしょう。
成長市場への期待
ブラスは、ウェディング業界での活動を通じて成長を見込んでいる企業です。
コロナショックを乗り越え、施行件数が過去最高に達し、単価も順調に回復するなど、ポジティブな業績の動きを示しています。
一人のプランナーが新規営業から結婚式の指揮までを担当する完全貸し切り型のサービス形態により、個別の顧客ニーズに対応したサービスを提供し、顧客満足度の向上につなげています。
出店計画の遅れは課題として挙げられますが、利益の伸びとともに株主への還元が進む可能性もあり、投資家にとっては注目すべきポイントと言えるでしょう。
加えて、株価と財務指標も安定的な状態にあるため、ブラス株式会社は今後の成長が期待できる企業と言えるでしょう。
ウェディング市場は個々のニーズに対応したサービスが求められる一方で、大きなマーケット規模を持つため、ブラスのような企業が拡大していく余地は大いにあります。
そのため、今後のブラスの事業展開と成長を注視していくことは、投資家にとって有益と言えるでしょう。
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