注目チャート140|富士フイルムホールディングス(4901)

皆さんこんにちは。

5月14日に安倍晋三首相は記者会見を開きました。
そして、新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言を
東京都や大阪府を除く39県で解除すると表明しました。
大都市以外のところでは学校が始まり、店舗の再開が始まりました。

今回の緊急事態宣言により、普通の生活がどれだけ素晴らしいことか
また、普通に直接会うコミュニケーションがどれだけ心を豊かにするか
などなど、多くの方が思うことがあった自粛だったと想像されます。

しかし今回のコロナショックにより、気づきなどの得たこともありますが
失ったものも大きかったのも事実です。

東京オリンピックは来年に延期となりました。
春と夏の高校野球が中止となり、インターハイも中止となりました。
また、その他多くのイベントやスポーツも中止や延期となりました。

新たな価値観を伴って時代が進んでいますが、人の心の豊かさは変わらずにいたいものですね。

今週の注目チャートは、時代の変化に対応できずに消えていく企業が多い中、
大きく変化して成長している企業を取り上げました。
では、チャートを見ていきましょう。

今週の注目チャート(移動平均線大循環分析)



チャネルラインと水平線が示唆する世界 by masao_shindo on TradingView.com

 

上記のチャートは、「富士フイルムホールディングス」の週足チャートになります。

1934年、昭和9年に現在の株式会社ダイセルの
写真フィルム部門を分割して富士フイルムが設立されました。

かつては写真フィルム日本一の会社ではありましたが、
カメラのデジタル化に伴い、フィルムの売り上げは1%ほどとなっています。

1962年には富士ゼロックスを発足し、2008年には富山化学工業を子会社化して、
フィルム会社から一転し、液晶ディスプレイや医療・医薬品、ヘルスケアなど
全く違った企業へと変化していきました。
ちなみに「富士フイルム」のイは小さな「ィ」ではなく、大きな「イ」を書くそうです。

では、チャートのステージを見ていきましょう。

移動平均線大循環分析によるステージCHECK!

現在のステージは第3ステージです。

第3ステージは移動平均線大循環分析においては下降相場の入り口です。
小次郎講師流に見れば、価格が乱高下して帯が横ばいになっていますので、
もみ合い相場のような動きになってきています。
トレンドの勢いが弱くなってきているのが分かります。

このままトレンドの勢いが無くなっていくのか、
それとも、再びトレンドに勢いが出てくるのかを
短期移動平均線と帯の関係で「CHECK」していきましょう。

チャートの注目ポイント

社会がアナログからデジタルに移行するにあたり、
変化出来ない企業は消えていきました。
写真フィルムで日本一だった会社が時代の流れと共に大きく変化したことは素晴らしいことです。
では、決算内容を確認していきましょう。

5月22日に2020年3月期決算が発表されます。
売上高予想は2兆3,700億円となっており、昨年よりも減少予想となっています。
営業利益は2,200億円となっており、昨年度の過去最高であった2,098億円を更新する予想です。
最終利益は1,650億円とこれも過去最高であった2018年度の1,406億円を更新する予想です。

事業セクターが大きく3つに分かれています。
一つはイメージングソリューションズであり、カメラやレンズなどです。
次にヘルスケア&アテリアルズソリューションで医療などに関するものです。
最後にドキュメントソリューションで複合機などです。

その売り上げ比率を見ると、イメージソリューションは16%、
ヘルスケア&アテリアルズソリューションは43%、
そして、ドキュメントソリューションは41%となっており、
元々の基盤であった写真関連の比率が大きく下がり、
時代に合わせて事業を変えているのが分かります。

コロナ問題でも注目を集める企業ですので
今後のニュースとチャートの推移に注目していきましょう。

このチャートをどう見るか?

移動平均線大循環分析でみてみましょう。
大局の強気と弱気の分岐点とされる200週EMAをみると、
2013年末あたりから綺麗に右肩上がりになっているのが分かります。
つまり、大局の動きは買いにエッジがあるというのが分かります。

次に、上昇帯と下降帯の動きを見ていくと、
2013年から2015年までの上昇トレンドは分かり易い綺麗なトレンドであることが分かります。
その後、2016年にかけて調整が入るも200週EMAでサポートされて
反発して上昇相場に戻るのですが、そこからの動きは上下を繰り返す展開で
決して綺麗な上昇トレンドとは言えない動きになっています。

2013年から2015年の上昇相場の方が分かり易く、
その後の上昇トレンドはわかり難いチャートと言えるでしょう。
このわかり難い局面もトレンドラインを入れると少し方向性が見えてきます。
今回のコロナショックで上下のトレンドラインを更新しましたが、
再び2本のトレンドラインの中で推移してきています。

注目ポイントは、一度上下のトレンドラインを更新した相場が
もう一度更新するのはどちらになるのかということです。
この次の展開がカギを握っているように見えますのでしっかりと見ていきましょう。

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