【3057】ゼットン/国内店はアダストリア協業次第だが、ハワイ事業は顕著な成長が確認される。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3057】ゼットン(名証ネクスト) OP

現在値 960円/100株  P/E 45.8  P/B 2.24  1月無配 株主優待あり 

ハワイ飲食店アロハテーブルが柱。ビアガーデンなども。アダストリアが親会社化。
配当基準日は1月末ですが、配当は無配予想となっています。


ゼットンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する1月末(※左記は決算期変更にともなう想定のため注意)の株主に対して、食事券3,000円分を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.12%となります。また、1年超の保有株主には4,000円分を進呈しているため、同利回りは約4.16%となります。

業績を確認していきます。2023年から1月期決算に変更するため、変則決算となります。

■2021年2月期 売上高 47.1億円、経常利益▲15.7億円 EPS▲297.7円  

■2022年2月期 売上高 46.1億円、経常利益 2.6億円 EPS 111.8円   

■2023年1月変 売上高 90.5億円、経常利益 4.5億円 EPS 75.4円 

■2024年1月期 売上高 115.0億円、経常利益 1.8億円 EPS 20.9円 ce

□2023年7月1Q 売上高 55.0億円、経常利益 2.8億円 EPS 23.3円 四e


2023年1月期の売上高は決算期変更による11ヵ月変則のため単純比較出来ないものの、YoY+96.1%の90.5億円、経常利益はYoY+73.0%の4.5億円となり、売上は計画線を確保したものの、利益は未達となりました。国内事業は早期オープンするなど積極営業を実施したほか、アウトドアが特に好調に推移し、SSSは平時比でも83.2%を確保したほか、ハワイを中心とする海外事業は正常化で更に好調に推移しました。他方で利益面は各種原価増で増益ながら計画割れとなり、出退店については純減1店の期末71店となりました。


12ヵ月決算に復帰する2024年1月期の予想については、売上高はYoY+24.5億円の115.0億円、経常利益はYoY▲2.7億円の1.8億円を見込んでいます。引き続き経済活動の正常化による回復が見込まれる一方、人件費・食材原価・エネルギーコストの上昇が利益圧迫要因があるため、価格転嫁を進める計画です。国内事業は進出外エリアへの出店を進めるほか、好調なハワイを中心とする海外事業は更に増店する方針であり、通期出退店は純増3店(期末74店)の計画です。

 

当社は決算期変更を機に新4年中計を策定しており、進行期はその初年度にあたります。最終年度とする2026年1月期までに売上高90億円→150億円、営業利益3.7億円→10.5億円まで引き上げる計画であり、ドメイン別の売上計画は①国内事業80億円、②海外事業45億円、③公園事業25億円となっています。また全社共通の取組として、tech活用によるデータ分析や1,400万人の会員を擁するアダストリアの会員組織である「.st」とのCRM連携、未開エリアの開拓等を挙げています。

 

①の国内は、主力のアロハテーブルを中心にSC内出店し、客層分析後に近隣路面店を出店するサテライト戦略を採るほか、北海道・福岡・広島・沖縄・静岡を新規進出エリアに定め、これらで年商15億円を目指します。②の海外は大型店であるAloha Stake Houseの成功により、ハワイにおける当社プレゼンス強化とブランド化が確立していることから、出店難易度の易化を活かした超ドミナント戦略で店舗集積を進めます。

 

③の公園は、従来当社が得意としてきた公共施設プロポーザル事業であり、既存パートナーと協業による徳川園の拡張(2022年7月開業済)や、葛西臨海公園のBBQ拡張(2022年4月開業済)にくわえ、ファンケル・横浜FM・三菱地所等とのコンソーシアムとなる“Park-PFI“の山下公園レストハウス事業では、当社が代表法人となり選出・決定されています。なお、横浜マリンタワーについては横浜地場デべのリストに経営権が移管されています。

 

他方、財務増強策としては、2020年に酒類卸大手カクヤス、当社鈴木社長、キーコーヒーを相手先に3.5億円の三割増資を実施したほか、2021年末にはアダストリアへの三割増資13億円(@797円)&当社株へのTOB15億円(@950円)により、親会社がDDHDからアダストリア(持分51%)に代っています。これら一連の取組により、自己資本比率も41%まで回復しており、現状では無配予想であるものの、早期復配が視野に入る状況です。

 

*参考記事①  2022-07-15  847円 NT

 【3057】ゼットン/ アダストリア傘下入りで企業クレジットが大幅増強、今後の出店に弾み。

 

*参考記事② 2021-07-05 735円 NT

【3057】ゼットン/DDは親引け応じず、出向の鹿中氏も辞任。グループ離脱の可能性も。 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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