QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2019/12/10)
・会社目標比やや強めの今期利益予想を据え置く
20/3期上期の連結純利益は前年同期比9%減の4320億円。会社目標7000億円に対し62%の進捗。本業収益は会社目標に対しやや弱かったが、与信費用が低位に留まり、株式売却の進展もあり最終利益の進捗は良好だった。会社は業務純益の予想を引き下げたが、株式売却益の上振れを見込み、利益目標を据え置いた。企業価値研究所は20/3期の連結純利益を7200億円とした予想を据え置く。会社の業務純益の修正目標はやや保守的とみる。21/3期、22/3期の利益予想は米国の利下げ影響等踏まえやや減額。ただ出資戦略や業務改革の効果等で引き続き緩やかな増益を見込む。
・株主還元は高水準。追加成長投資の可能性も
19/3期末の普通株式等Tier1比率は、バーゼルIII最終化時ベースで会社中計の目標「10%程度」を1年前倒しで達成。資本蓄積優先から株主還元・成長投資を強化し得るステージに移行した。20/3期上期末の同比率も10%を確保。20/3期は1000億円相当の自己株も取得。株主還元は高水準が続く見通しで、資本余力があるため、収益増強に資する成長投資の強化も期待される。
・リスクファクター ~相場変動、日銀追加緩和等
・アナリストの投資判断 ~当面底堅い見通し。一定の上値余地はあるとみる
株価指標は3カ月前から上昇したが、同社の過去3年平均(PER8倍台、PBR0.5倍台半ば)を依然下回る。金利低下で収益環境は引き続き厳しく、現状本業収益がやや低調なこともあり、当面株価が一段と力強く上昇する展開を見込み難い。ただ、割安感や相場全体の地合い改善、底堅い利益見通しや株主還元・成長投資の強化への期待等を背景に、当面株価は底堅く推移しそうで、一定の上値を追う余地はあるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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