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【JT】日本たばこ産業(2914)の完全民営化はあるか。配当金は政府の重要財源

JT 完全民営化国内株(配当)
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「JT完全民営化へ 維新・希望 法案共同提出」を提出しています。

以下、全文となりますが、現状、JTの主要株主は33%を握る国(財務大臣)であり、それを放出して完全民営化しましょうというものです。

JT=日本たばこ産業の完全な民営化に向けて、日本維新の会と希望の党は、政府が保有するすべての株式を売却するとした法案を参議院に共同で提出しました。

日本維新の会と希望の党が提出した法案では、JT=日本たばこ産業の完全な民営化に向けて、法律の施行後3年以内をめどに、政府が保有するすべての株式を売却するとしています。

また、JTが国産の葉たばこをすべて買い入れている仕組みを廃止したうえで、政府に対し、葉たばこ農家などの減収を補填(ほてん)する措置などを講じるよう求めています。

法案を提出したあと、希望の党の松沢代表は記者団に対し、「なぜ健康に害のあるたばこの会社の株式を政府が持って、守らないといけないのか。世界の先進国を見ても、日本だけで極めていびつな『たばこ利権』につながっている」と述べました。

JTの完全民営化により、どうなるかは分かりませんが、JTの株主としては気になるニュースであるため、JTの株主がどうなるかを投資をするうえで理解しておく必要がありますので、まとめてみました。

ちなみにですが、建前上かもしれませんが、政府は「JTの完全民営化」というのが方針です(昭和60年の専売制度改革のときから)。

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JTの完全民営化はなるのか

我が家はJT株への投資を継続的にしており、その主たる目的は「配当金」であるため、その配当金が今後どうなるかというのは非常に気になるところです。

JTが完全民営化されれば、少なからず、影響は出ると思うので、自分の整理も踏まえて、現状を整理しておきます。

JTは法律によって政府が3分の1の株式保有義務がある

日本たばこ産業株式会社法という法律があり、通常JT法と呼ばれます。

このJT法では、株式の政府保有義務は「発行済株式総数の3分の1超」とされています。

昭和五十九年法律第六十九号
日本たばこ産業株式会社法
(会社の目的)
第一条 日本たばこ産業株式会社は、たばこ事業法(昭和五十九年法律第六十八号)第一条に規定する目的を達成するため、製造たばこの製造、販売及び輸入に関する事業を経営することを目的とする株式会社とする。
(株式)
第二条 政府は、常時、日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)が発行している株式(株主総会において決議することができる事項の全部について議決権を行使することができないものと定められた種類の株式を除く。以下この項において同じ。)の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならない。

政府はこれまで、保有株を市場に放出しています。

2914 JT 株主 所有者別

2914 JT 株主 所有者別

2019年3月31日現在、政府(財務大臣)は、JTの発行済株式2,000,000,000株のうち、666,926,200株(33.35%)を保有しています。参考:JTのホームページ

1株154円が配当金(2019年12月期予想)ですので、国は約1,000億円の配当金収入を得ることになります。

株主には外国法人も多かったですが、このところはESG投資の関係もあり、縮小傾向にあります。

この点は、こちらでまとめていますので、あとでご覧ください。

高配当株・日本たばこ産業(JT)の株価下落が止まらない理由とは?
我が家は日本たばこ産業(JT、2914)を4000株以上保有しており、3月には20万円以上の配当金を受け取りました。そのJTが2019年第1四半期の決算を発表しましたね。JTの株価は2018年以降下落が止まらないので、我が家も大量保
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JTの完全民営化では財政制度等審議会たばこ事業等分科会で議論

『たばこ関連産業への国の関与の在り方、日本たばこ産業株式会社株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性について(中間報告)」(案)について』

『たばこ関連産業への国の関与の在り方、日本たばこ産業株式会社株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性について(中間報告)」(案)について』

JTの完全民営化については、「財政制度等審議会たばこ事業等分科会」で議論がなされていますね。

平成27年6月22日の第33回で『たばこ関連産業への国の関与の在り方、日本たばこ産業株式会社株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性について(中間報告)」(案)について』が議論されたのを最後に、JTの完全民営化に関する議論は行われていません。

この分科会の議論について、日本経済新聞の記事も参考になります。

政府がJT株を放出した履歴

昭和57年に当時、専売公社であったJTがJT法に基づく特殊会社として誕生し、その際に「発行済株式総数の3分の2以上」が政府の保有義務とされていました。

平成14年にJT法が改正され、「設立時株式総数の2分の1以上」かつ「発行済株式総数の3分の1超」へ変更する際に分科会において「完全民営化については、国産葉たばこ問題が残されており、その問題解決は容易ではないが、完全民営化に向けた取組を進めるのが望まれる」と議論がなされています。

平成23年にJT法を改正し、「発行済株式総数の3分の1超」に引き下げとなりますが、政府がJT株を保有する限り、

  • 国産葉たばこの全量買取契約制
  • JTの製造独占
  • 小売定価の認可制

などを制度的枠組みの変更は必要ないと議論されていますね。

JTの完全民営化については、上記の3点などの議論の必要性に留意せよとなっています。

JTは国産葉たばこのすべてを買い取る義務がある

たばこ事業法により、JTは国産葉たばこを買う際に、あらかじめ、耕作者と契約が必要であり、生産された葉たばこはすべて買い入れる必要があります。

JTは、たばこの原料である国産葉たばこを全量買い取りする必要があり、非常に重い責任を負担しています。

その代わりに、政府はJTによる国内製造の独占を許しているのです。

また、JTから小売店への卸売価格は認可制となっており、JTが自由に決められないという制約も背負っています。

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JTの配当金などは国の大事な税収である

たばこ税は国及び地方の重要財源となっており、たばこ税収は2兆円台で安定して推移しています。

また、JT株の政府の配当金は、さきに述べたように約1,000億円ほどあります。

これらの配当金は、財政投融資特別会計の主な歳入となっています。

JT NTT 財政投融資特別会計

JT NTT 財政投融資特別会計

日本経済の成長のためのリスクマネー供給や、産業投資の財源に活用されていますね。

財政投融資とは、民間では対応困難な長期・低利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施や、NTT株、JT株の配当金などを財源とした、リターンが期待できるものの民間だけでは十分にリスクを負えない事業の実施などを可能とするための投融資活動のために使われています。

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JTの完全民営化に対する意見

JTに影響する方々たちの意見

JTは買収なども認可制であり、主要株主である政府の意見を反映する必要があります。

また、新株発行などは事実上制限されていますので、完全民営化となれば、新株発行など機動的な財務戦略も可能になるかもしれません。

先にご紹介した「財政制度等審議会たばこ事業等分科会」では、JTの完全民営化に対して、JT、耕作者、小売店の意見が出されています。

JTの意見

  • 新株発行のニーズは感じていない
  • JTとして、株を完全放出してほしいという経営上のニーズは今のところない

耕作者の意見

  • 政府保有株が33%を下回れば、JTが利益追求を優先することになり、葉たばこ耕作者は生き残れなくなるため、JT株の政府保有義務の見直しには反対

ちなみに、国産葉たばこの生産は離島などの条件不利地や東北などが多いようです。こうした地域の経済活動にも大きく寄与しているわけです。

小売店の意見

  • 小売定価制、小売許可制などの現行制度は、不正取引の抑止力ともなっている。政府の保有義務を見直せば、現行の制度に大きな影響を与えることから、JT株の政府保有義務の見直しには反対

耕作者や小売店はJT株の政府保有義務の見直しには反対を出しており、こうした問題の解決なくして、JTの完全民営化はかなり難しいことが想像できます。

また、先の分科会で委員からは、

JTは、政府保有株式が売却されても国産葉たばこの買入れを継続すると言っていたが、先行きJTの経営環境が大きく変化したときに、株主の意向で経営方針が変わる可能性は否定できない

としています。

この、「国産葉たばこ問題」の解決なくして、JTの完全民営化はないでしょうね。

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JT保有株の見直しはかなり慎重

分科会の委員からは、

  • 3分の1超えある政府保有株式を下回ることになれば、「特別決議に拒否権を失う」ことになり、更なる株式売却には、全量買取が担保できなくなることを覚悟して決断する必要がある

「国産葉たばこ問題」の解決に向けての覚悟とその措置が必要としています。

また、国の税制面からは、

  • 高い配当金収入を得ており、かつ、それがリスクマネー供給の原資となっていることから、直ちに売却することは得策ではない
  • 配当金収入は持続的に入ってくる収入である一方、売却は1回限りである。

というような慎重な意見もでていますね。当時は日本郵政株やJR九州株の上場を控えていましたので、JT株を売却するタイミングではないと議論されています。

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JTの完全民営化はあるのか

専売制度改革からの「全株売却による完全民営化」の基本的な方向性は堅持されています。

一方、国産葉たばこの全量買取、卸価格の許可制、買収などの認可制など政府関与があるからこそ成り立つ現行制度の解決策がない限りは、完全民営化はあり得ないだろうなと思います。

もし、完全民営化されれば、国産葉たばこの全量買取などの義務が外れ、経営の自由度が増し、利益率の向上につながっていくかなと思います。

株主としてはプラスの面もありますが、国産葉たばこを耕作している地域経済への影響は非常に大きく、様々な利権が絡むので、現行制度が維持されるのだろうな。

今回の維新の会などから出されたJT株の完全民営化法案の提出をきっかけに、議論が出てくるかもしれません。

国産葉たばこの全量買取の義務化を廃止して、その補てんする措置(結局税金投入)なんてありえないと思います。

過去の分科会での議論などを改めて読んでみると、いちJT株ホルダーとしては、完全民営化の可能性は極めて低いと感じます。

【JTの完全民営化が難しいと感じる主な理由】

  • JT株の政府保有義務があることで守られている制度(国産葉たばこの全量買取、小売店の卸価格の認可など)がなくなれば、地域経済への影響が大きすぎる
  • JTの配当金は、特別会計の主な歳入となっている
  • 財務省は、1回限りの株式売却より配当金収入を重視している

また、仮に完全民営化になったとしても、コスト負担が軽減される可能性が高く、経営の自由度が高くなるため、利益率向上などのメリットは大きい(株主としては配当金の増配などその利益を享受できる)と考えます。

もしかしたら、JTI(スイス本社)への集約という大きな決断も出てきてしまうかもしれない。そうなると国としてもかなりの痛手ですね。

色々まとめて書きましたが、JT株自体は、安定配当ができる銘柄だと考えます。

我が家は、JT株は引き続き保有し、政府と同じように配当金をもらい続けたいと思います。

株主優待もあります。もらうと地味に嬉しいものですね。

JT株主優待2019

JT株主優待2019

売却益は1回限りですが、配当金は持続的な収入源としてとても魅力を感じます。

【JTの主な指標】

  • 株価 2517円
  • PER 12.07倍
  • PBR 1.71倍
  • 配当利回り 6.12%
  • 15期連続増配中
  • 営業利益率 25.5%(2018年12月期)
  • 営業キャッシュフローマージン 20.8%(2018年12月期)

JTは配当金狙いでは魅力的な銘柄であることは変わりないと考えます。

ではでは。

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