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カメラ大衆化の旗手、オリンパスが退場

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オリンパスがカメラ事業を投資ファンドに売却し、撤退すると発表した。「PEN(ペン)」ブランドを売り物に小型・軽量化や女性ファンの開拓でも先行し、高級品だったカメラ市場の裾野を広げた。ただ2010年代に入るとスマホにカメラ初心者層を奪われ、事業の再建に取り組んだが赤字体質が続いていた。想像を上回るカメラ市場の縮小ペースに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり市場からの退場を決断した。

社員の発案「月収の半額で」

「6000円でカメラを作れないか?」。大卒の初任給が約1万5千円だった1960年前後、安いカメラでも2万円以上、独ライカのカメラが20万円もした時代。ある若手社員の発案で月収の半額で買うことができるカメラの開発に取り組んだ。当時はフィルム代が高かったため、カメラマンの使う35ミリカメラの2倍の枚数が撮れるハーフサイズにした。

こうして「オリンパスペン」シリーズが59年に発売された。顕微鏡メーカーとして創業し、36年にカメラ事業に進出したオリンパスはペンのヒットで一躍、世界に名前が知られることとなる。

ペンの開発を提案した米谷美久さんは後年、「いい写真を撮るための最初の条件はカメラを持っていること」と述べている。オリンパスは低価格帯を投入することでより多くの人にカメラを持ってもらうことに重点を置いた。

誰でも簡単に写真が撮れるように軽量化にも注力した。35ミリの一眼レフも半分の重さにし、「OM」シリーズというヒット商品を生み出した。

デジカメ参入後も独自色

90年代後半にデジタルカメラに参入後も、独自色を打ち出す。「マイクロフォーサーズ」と呼ばれる、通常より小さい画像センサーを使って小型・軽量な機種に注力。CMに女優の宮崎あおいさんを起用し、女性ファンもつかんだ。最盛期だった07年度にはカメラ事業の売上高が3000億円を超えた。

ただ10年代に入ると、スマホの普及でデジカメの需要に陰りが出てきた。特にエントリー層を得意としてきたオリンパスは販売の落ち込みが目立った。また11年には証券投資の損失隠しが発覚し、経営が揺らぐ。関係者の間では、収益の落ち込むカメラ事業から撤退し、高収益の内視鏡にシフトするとの情報が浮上した。

「映像は技術のドライバー」

12年に就任した笹宏行社長は「映像事業(デジカメ)は技術のドライバーで、重要な事業だ」と述べ、カメラ事業の再建に取り組んだ。ただ市場縮小のペースは速く、赤字体質が続いた。

19年に就任した竹内康雄社長は「ポートフォリオは随時見直していく」と述べ、カメラ事業の撤退に含みを持たせた。オリンパスは筆頭株主で「物言う株主」の米バリューアクト・キャピタル・マネジメントから取締役を受け入れており、カメラからの撤退を求める株主の声が高まっていた。

そこに追い打ちをかけたのが新型コロナの感染拡大だ。世界各国で外出自粛が呼びかけられ、デジカメ市場は急速に落ち込んだ。SMBC日興証券は1~3月はソニーを除く全社が赤字になったと見ている。コロナの影響が本格化する4~6月は影響がさらに深刻になるもようだ。

1960年代から日本企業が世界を席巻してきたカメラ市場は、新たな需要を掘り起こしてきたオリンパスの存在なしでは語れない。オリンパスの撤退は、カメラ市場が生き残りをかけた競争の局面にあることも映している。

撤退求める声は根強く

オリンパスはカメラ事業の収益をテコ入れするため、低価格のコンパクトデジカメや一眼レフから撤退し、シェアの高いミラーレス一眼に経営資源を集中してきた。また中国広州市や深圳市の工場で生産を停止し、コストの安いベトナム工場に生産を集約した。

ただ06年にコニカミノルタからカメラ事業を買収したソニーやキヤノンがミラーレス一眼を席巻し、オリンパスのシェアは低下傾向が続いた。カメラを含む映像事業が営業黒字になったのは過去10年間で1度のみで、累積赤字は1000億円を超えていた。株式市場ではカメラ事業からの撤退を求める声が上がっていた。長年の懸案であったカメラ事業撤退により、オリンパスの構造改革が進むとの期待から、25日の株式市場ではオリンパス株に買いが入り、株価は一時10%高となった。

(花田幸典、橋本剛志)

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