■タツタ電線(東1:5809)12月6日前場終値606円。 | 上がる株にはわけがある

上がる株にはわけがある

ロックなどを挟みながら、 株式投資に役立つと思われるニュースを選択。 過去に東洋経済のオール投資で株の達人として紹介されたこともあります。2020年2月急性骨髄性白血病を発症。22年1月奇跡の「完全寛解」で第2の人生スタート。

目安となる目標株価、第1目標800円(期間1か月)、第2目標1000円(期間3か月)、第3目標1500円(期間6か月)

 

注目ポイント
1.5G関連のダークホースとして注目。
2.眼球内断層撮影機器「OCT(光干渉断層計)」向け部材の事業が着実に成長。
3.中長期な経営戦略2026年3月期売上高1000億円、営業利益100億円の達成目指す
4.JX金属が32.4%保有、25日移動平均線がサポートへ

 

 ―5G関連のダークホースとして注目―

 

 同社は、電線ケーブルメーカーとして発展し、安定した電力供給に貢献している。現在は、その基盤事業で培った技術を応用し、産業用ロボットに欠かせない機器用電線、また、半導体パッケージを構成する重要な部材をはじめとする様々なエレクトロニクス製品、さらには、コンピュータ室や電気室での漏水検知システムや環境分析事業も手がけ、事業領域を大きく広げている。

 特に注目されるのが、優れた高速伝送特性と高シールド特性を実現した「高速伝送FPC用電磁波シールドフィルム」を手がけていることだ。「電磁波シールドフィルム」は、電磁波ノイズによる電子機器の誤作動を防止する製品で、世界でも圧倒的支持を集めており、今後5G向けに製品の伸びが期待されることから、5G関連のダークホースとして注目される。

 

 ―眼球内断層撮影機器「OCT(光干渉断層計)」向け部材の事業が着実に成長―

 

 また、世界的な高齢化の進行に伴い、高齢者に特徴的に見られる眼疾患(加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症等の患者が増加していることに対応し、眼科医向けの眼球内断層撮影機器のOCT(光干渉断層計)の需要が高まっており、「光ファイバカプラ」、「光ファイバコリメータ」、さらに、それらを組み合わせた「光モジュール」をOCTを主用途として、製造・販売しており、フォトエレクトロ二クス事業が着実に成長していることも注目される。

 

 ―中長期な経営戦略2026年3月期売上高1000億円、営業利益100億円の達成目指す―

 

 中長期的な経営戦略として、2026年3月期売上高1000億円、営業利益100億円の達成を目標に、電線・電子材料関連のフロンティアを開拓して、独創的な先端部品・素材を供給するニッチトップのサプライヤーを目指している。

 

 7月23日に今20年3月期業績予想を下方修正済み。通期売上高は当初予想の615億円から575億円(前期比0.9%減)、営業利益は同50億円から35億5000万円(同12.7%減)になる見通しだが、10月29日に発表した第2四半期決算では、7-9月期営業利益は16億1900万円(前年同期比11.8%増)に着地。第2四半期累計(4-9月期)営業利益は20億4600万円(同23.0%減)に達し、年計画に対する進捗率は57.6%と順調に推移している。

 

 ―JX金属が32.4%保有、25日移動平均線がサポートへ―

 

 株価は、2018年1月高値955円から8月26日の年初来安値415円まで調整を挟んで11月8日高値622円と上昇。25日移動平均線がサポートラインとして意識されており、保ち合いも煮詰まっている。JX金属が2,273万株(32.4%)保有する筆頭株主で、需給思惑も増幅することから、上放れが期待されそうだ。