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タイで試験中のトヨタ「LPG-HEVタクシー」、環境に優しく快適な次世代タクシーに
配信日時:2023年3月23日 9時00分 [ ID:8771]

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マレーシアメディア(https://www.carsifu.my/)より。 トヨタのタイ法人がモーターショーに出展した「LPG-HEVタクシー」は、日本で「ジャパンタクシー」として展開されている車両のタイ仕様。

 2023年3月、トヨタ自動車は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、さまざまなパワートレインを備えた車両の性能試験をタイで行っている。その中には、日本で「ジャパンタクシー」として知られるタクシー専用車のタイ仕様とも言える「LPG-HEVタクシーコンセプト」がある。

 この車両は、環境に配慮したLPG(液化石油ガス)とハイブリッド車の技術を組み合わせたもので、燃費性能が向上。また、車内にはWi-FiやUSBポートなどが備わっており、乗り心地も抜群だという。

 LPGは、ガソリンやディーゼルエンジンに比べてCO2排出量が少なく、ハイブリッド車の技術を組み合わせることで、さらに燃費性能も向上する。トヨタの公式サイトによると、日本国内で販売されているジャパンタクシーは、19.4km/L(JC08モード)の燃費を実現している。

 また、ジャパンタクシーは、次世代タクシーとして全く新しい発想で設計された車両だ。全長4400mm×全幅1695mm×全高1750mmというコンパクトなボディサイズながら、広大な車室空間や積載性を実現している。後席左側のドアは開口部の広いスライド式とし乗降性も大幅に向上させるなど、様々なユーザーに優しいユニバーサルデザインを取り入れている。

 さらに、専用設計のサスペンションによる耐久性向上や交換可能な3分割バンパーやランプ類、メンテナンス性の高いエンジンパーツの採用など維持費を軽減している。これらの特徴は、タイ仕様のLPG-HEVタクシーコンセプトにも引き継がれていると考えられる。

 トヨタのタイ法人は、2023年3月18日から22日までタイで開催されたモーターショーに出展した。このモーターショーは、カーボンニュートラルの推進を加速する自動車の性能試験活動の一環として、トヨタ自動車、日野自動車、いすゞ自動車の3社による共同出資会社であるCJPT(Commercial Japan Partnership Technologies Corporation)が主催したものだ。

 CJPTは、CASE (Connected, Autonomous, Shared, Electric)技術の普及を加速し、交通システムで発生する問題の削減、カーボンニュートラル社会の実現を目指している。そのため、電気自動車(BEV)や燃料電池自動車(FCV)だけでなくハイブリッド車(HEV)など、さまざまな選択肢を用意する必要があるとしている。

 CJPT代表の中島浩樹氏は、今回の発表について「低燃費車、電気自動車、燃料電池車などの導入に際し、関係者の率直なご意見をお待ちしております。カーボンニュートラルを達成し続けるために、これらの車両の試験結果をもとに、具体的な協業を調整するために適切な方法を検討します」と話す。

 タイではタクシー車両として、トヨタ「カローラ」など多くのトヨタ車が活躍している。今後そんなタクシーたちが、より環境に優しく快適なLPG-HEVタクシーに置き換わっていくかもしれない。LPG-HEVタクシーは、日本で「ジャパンタクシー」として展開されている車両のタイ仕様であり、日本とタイの自動車技術の交流の象徴とも言えるだろう。

【編集:af】

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