【4490】ビザスク/Coleman海外事業モタつくも、国内はクロスセル増加で着実に成長。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4490】ビザスク(東証グロース) OP

現在値  1,425円/100株  P/E 86.8  P/B 4.16  2月配当(無配) 株主優待なし

ビジネス知見持つアドバイザーと顧客をマッチングし、インタビューを設営するサービス。


配当基準日は2月・8月の年2回ですが、無配予想となっています。
ビザスクは株主優待制度を実施しておりません。

業績は下記の通りとなっております。

■2021年2月期 売上高 16.0億円、営業利益 2.0億円 EPS 23.3円 

■2022年2月期 売上高 37.0億円、営業利益▲1.1億円 EPS▲63.2円 

■2023年2月期 売上高 83.8億円、営業利益 0.0億円 EPS▲20.9円 

■2024年2月期 売上高 97.0億円、営業利益 2.8億円 EPS 16.4円 ce(4/14)

□2023年8月2Q 売上高 47.0億円、営業利益 1.3億円 EPS 7.6円 四e


2023年2月期の売上高はYoY*2.2倍の83.8億円、営業利益はYoY+1.1億円の0.0億円となり、売上こそ計画並みの大幅増となったものの、利益面は均衡圏に留まりました。Coleman買収で商材となる内外アドバイザー総数が同*3倍超の56.4万人に大幅増となったこともあり、国内顧客数は同+46%の1,452口座、連れて国内取扱高も同+92%の24.3億円に増加しました。他方、Colemanがフルで寄与する海外事業は、主要顧客層の機関投資家やVC,PE等のニーズがtech株市場低迷で低迷したほか、のれん償却費(▲8.0億円)も重しとなりました。


進行期である2024年2月期の通期予算については、売上高がYoY+15.7%の97.0億円、調整後EBITDA(*のれん償却、PSU戻し)はYoY+21.0%の14.0億円を見込んでいます。好調な国内事業は、「ビザスクexpert survey」といった新商材の投入もあり、主要顧客であるマッキンゼーやBCGといったコンサル系を中心に、好採算のクロスセルの伸長が見込まれます。他方、Colemanを中心とする海外事業は、マクロ環境が依然厳しいものの、資本市場の安定化による底入れが期待されます。利益面については、積極採用と報酬水準の見直しにより、人件費が高水準となるものの、調整前/後の営業利益は回復する見通しです。


当社は中期目標として、2025年~2027年2月期を目途に年間取扱高を135億円→200億円へ引き上げるほか、営業利益率15%を定量目標として公表しており、1年経過後もこれを据え置いています。Interview Matching(IM)市場は、足許でモタついている米国資本市場の状況を考慮しても、直近5年平均では年率15%成長していることから、ColemanのExpert Network Service(ENS)も同等程度の成長率を見込みます。特に海外事業は、アドバイザー数の数的優位等による高付加価値化により、70%のテイクレート(取り分)が足許72%にまで上伸しています。

 

国内ENS市場については、GDP推定の国内市場のSOMは200億円程度とみられるため、当社が既に支配的地位を確立しています。今後は上位ナレッジ領域であるコンサルや、金融商品分野の一部分であるリサーチ領域の推計SAM2,350億円、企業研修やアンケート・市場調査領域の推計TAM2兆円の切り崩しを目指します。目下では、海外事業よりも国内事業の方が好調なため、当面は人材投資とブランディングに費用を投じる方針です。

 

当社は2020年の上場時に約7億円(@1,500円)を調達してたものの、Coleman買収(112億円)時に、40億円の銀行借入とともに、アドバンテッジパートナーズにA種優先株75億円、Coleman経営陣と既存株主らに13.8億円をB種優先株を割り当て、129億円を追加的に調達しています。A種・B種優先株の転換価格は@3,724円のため、足許の株価水準を鑑みれば当面は年3.0%の優先株の利回り負担だけになるとみられるものの、全て転換された場合には最大33%程度の希薄化が追加的に発生する点には留意が必要です。

 

*参考記事① 2022-07-21  2,209円 OP

【4490】ビザスク/ 米Coleman買収で業容急拡大、当面高成長も未顕在の希薄化に留意。

 

*参考記事② 2021-06-10  3,660円 OP

【4490】ビザスク/スポットコンサルで支配的地位を確立、当面は年率2割超の成長か。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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